幻想の美に耽る物語

昭和二十年、京都、夏。
小説家の男は文字を喰む娘と出会い、娘の為に小説を書き続け、惹かれていきます。
しかし、終戦によってその関係は終わりを迎えてしまします。

小説家としての思い、文字を喰む艶やかさ、消えゆくものを残そうとする意志が、作者様の見事な実力により豊かな表現で綴られています。ひたすらに息を呑むばかりの圧巻の筆致です。
本が主題だけに小説好きなら共感するようなフレーズが多々あり、心に深く残りました。
是非にオススメしたい作品です。

このレビューの作品

言の葉を喰む

その他のおすすめレビュー

右中桂示さんの他のおすすめレビュー787