戦争と文学とメロウな幻想

タグに悲恋とあるだけあって、ただの甘い恋などではありません。
結末に、うなだれてしまうほど。
しかし、つまり、だからこそ、そこに息づく人物たちがあまりにも魅力的であったと言う証左になるわけで。

1万文字と言う短い枠の中で、飛び道具のような設定と魅力的な人物と円熟した文体が絶妙なバランスで練り込まれており、圧巻の内容となっておりました。
ネタバレになるので詳細は省きますが、戦争中、戦後に本当にあったと錯覚してしまうような、現実感を伴った幻想に浸らせて頂きました。

夏にも吹雪が吹くように、冬にも夏の風が吹きました。

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