2024/08/13 伊織と相合傘

とある夏の日の昼すぎ。

公園にはたくさんのセミの鳴き声が響いていた。

伊織とるいの2人が、日陰で話している。

「この前、スズちゃんと相合傘したんだ」

伊織が言うと、るいは眉間にしわを寄せた。

「はい、嘘ー」

「嘘じゃないモン!」

「あのさぁ……。あたしはお前とちがって天気予報みて、1週間分の天気把握してんの。洗濯物干すとき困るだろ? 先週から雨は降ってないんだよ、この嘘つきが」

伊織の鼻をツンツンと指でつつく。

「う、嘘じゃないってば!」

「はいはい、そういう妄想ね。そんなこと言ったら、あたしはスズと毎日一緒にお風呂入ってるし、夜は一緒に寝てるが?」

「先輩のは妄想かもだけど、私はちがうモン」

「はいはい(笑)」

「暑いから一緒に入りなさい、って日傘に入れてくれたの!」

るいは目を開いて驚く。やがて、むすっとした表情になって伊織の鼻をギュっとつまんだ。

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