2024/08/23 伊織ちゃんとカロリー

伊織とるいの通う学校。

放課後に2人が教室で話している。

「おまえさ、昨日の夜、なに食べた?」

「えっ? からあげだケド?」

「またカロリーが高いものを……」

「おいしいし、べつにいいジャン!」

「でもお前さ、昨日帰り道でファ〇チキ食べてただろ」

「あ、そういえばたしかに! 鶏肉ばっかで栄養的に偏っちゃってたね」

「いやそこじゃねえ。カロリーから目を背けるな」

 るいが伊織のお腹の肉を制服の上からつまむ。

「ひゃん! 何するの、もう!」

「ほら、しっかり脂身に反映されてっぞ。だらしない贅肉にさぁ」

「うぅ……。お腹をぷにぷにしないで」

「普段からもうちょっとカロリーを意識した食事をだなー……」

「もうカロリーっていう単語聞きたくないよ。トラウマになっちゃうよ。もっとポジティブな言葉に置き換えてよ」

「ポジティブな言葉ってなんだよ……。カロリーはカロリーだろ……」

「じゃあ、カロリーの代わりに『エナジー』にしちゃうのはどうかな♪ かつ丼1000エナジー! カレー700エナジー!!」

「それはポジティブ……なのか?」

「これだけ、ごはんからパワーもらってる、みたいな♪」

「はぁ……」

「『今日のお弁当、魚肉ハンバーグとポテトサラダかぁ。今日午後から体育あるから、もうちょっとエナジー欲しいな~。よっし購買で焼きそばパンでエナジー補給だー!』……みたいな!」

「お前、弁当に追加で焼きそばパン食ってんの!?」

「今はそこじゃなくて、使い方の例だよー。これなら罪悪感ないでしょ?」

「ポジティブに言い換えても、カロリーは減らないからな!?」

 伊織の食欲に改めて呆れるるいだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る