ファーストフード店に、伊織とスズと礼子の３人が集まっていた。

「ふわあぁ……」

伊織が口を手でおさえて大きなあくびをした。

「寝不足なんですか？」

礼子が聞くと、目に涙を浮かべて伊織が答える。

「うん、オリンピックのサッカー観てて」

「夜にやっているのね」

感心したようにスズが言う。

「日本の試合が深夜２時からだったのー」

「！？　そんなに遅い時間にやっているの……？」

「やっぱり中継で見ないと結果が先に分かっちゃうからね」

「ふふ、そんな遅くに夜更かしするほどすごく楽しみにしてたのね。でも、そんな夜遅くにやるなんて選手の人たちも眠くて大変ね……。夜にやるのは暑いから、かしら……」

「……？　うん、いい試合だったんだ」

伊織はスズのいうことが理解できず、笑顔でスルーした。

（時差ですよ、スズさん！　向こうは夕方なんです！）

と思う礼子だった。

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