第14話:微妙な関係。

「ねえ、ヨーちゃん・・・暇だね」


「まあ、そんなもんだろ 」

「探偵なんて仕事の依頼がなきゃプ〜太郎みたいなもんだからな」


「食べていけるの?・・・こんなんで」

「大丈夫さ・・・まあそれなりに蓄えもあるしな」

「これで食っていけなかったらショーちゃん「柏原」が経営してる店にでも

雇ってもらうさ 」


「ダメだよ、あんなヤクザ屋さん」

「そんなことになったら、私が働く・・・」

「バーカ・・・おまえにそんなことさせられるか」


「私、髪伸ばそうかな・・・ヨーちゃんどう思う?」

「ヨーちゃんの好みってどっち、ロングそれともショート」


「ロングでもショートでも似合ってりゃいいんじゃねえか?」


「そか・・・」

「ねえヨーちゃん・・・私のことどう思ってる?」


「なんだよ藪から棒に・・・」

「そりゃ、おまえ・・・ズズは俺のよきパートナーだし・・・そういう意味で

言えば当然、好きだよ・・・じゃなきゃ一緒に仕事してねえわな」


「それだけ?」


「他になんて言えばいいんだよ・・・それじゃ不満か?」


「不満・・・ちゃんと答えてないし・・・」

「私が未成年だからってことがダメなの?」


「なにがダメなんだよ」


「私が未成年だから手を出しちゃいけないって思ってるんだ・・・」


「手を出すって・・・」

「まあ・・・まだ好いた惚れたには、ちょっと早いかもな」

「だから10年後まだおまえにいい男ができてなかったら俺が貰ってやるよ 」


「そのセリフ、前にも聞いたけど・・・」

「で、私が言ったの・・・10年待ってたら、おばちゃんになっちゃうよって」


「27歳でおばちゃんってのは全国の27歳女子に対して失礼だと思うけどな」


「そんなことより、10年は長すぎだよ・・・」

「今、ヨーちゃんが私のことどう思ってるかが問題なの?」


「なんで俺の気持ちを告白しなきゃいけないんだよ」


「ヨーちゃんのクチから直接聞きたいから・・・」


「17歳って微妙な年齢だよな」

「見方によっちゃ、まだ子供だし見方によっちゃ立派な女だし・・・」


「なに?私が中途半端だって言うの?」


「そうだな・・・」


「ふざけないで!!」


「ん〜まあ正直言ってスズは俺のタイプってのはたしかかな?」

「で、パートナーとしても今んところ不服はないし・・・」


「そやって、ずるずる答えを伸ばすつもりでしょ」


「分かった・・・俺はスズが好きだよ」


「それって友達みたいって意味で好きってこと?」


「あのな・・・俺を困らせるなよ・・・おまえをん〜してるなんて

言うわけないだろ? 」


「ん〜してるって何?」

「もう、じれったいはっきり言いなさいよ・・・」


「だから・・・分かるよな・・・な?、そういうことだよ」


「分かんない・・・」


「あ、そうだ・・・また雑貨屋の婆ちゃんちの猫、脱走したらしいぜ」

「探してくれって頼まれてんだよ」


「え?また?・・・また行方不明なの?」


「あの猫、もうボケが来てて放浪癖があるみたいだからな・・・」

「暇だし、探しに行くか 」


「もう、誤魔化して・・・」


「そうだな、これだけは言っておいてやるよ、なにがあっても俺にはおまえが

必要・・・それが俺の答えだって、スズ」


つづく。

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