第15話:本町通りの殺傷事件。

俺とスズ・・・いい感じで雑貨屋のばあちゃんちの猫探しに奔走していた。


せっかくこの間、見つけてやったのに、まだ脱走したんだ。

厄介な猫だよな。


時に大きな事件もなく猫探し以外は俺とズズは暇をしていた。


テレビでは女性の屍体が本町通りの閉店した店舗あとで見つかったと

ニュースでやっていた。

体の数カ所を刺されていて、死因は失血死。

刺された女の名前は「池田 翔子」いけだ しょうこ・・・年齢は定35才前後、既婚者。


またかって俺は思った。


最近やたら女性の殺人事件が多い。

ほとんどの事件は金か恋愛のもつれ・・・だいたいそう相場が決まってる。


そんなの知ったことかと思っていたら・・・


池田 翔子の夫だという男が俺の事務所を訪ねてきた。

夫の名前は「池田 陽光いけだ ようこう


刺された女の旦那が俺に何の用だ?・・・妻を殺した犯人でも探してくれ

ってのか?

そんなのは警察の仕事だろ?。

ぶっそうな仕事には極力関わりたくないんだが・・・。

とくにスズがいるから、危険なことは避けたい。


で、その旦那が言うには殺された奥さんがどうやら不倫してたらしい

ってこと。


池田陽光と翔子との間には保育園に通う女の子がひとり。

家族三人の家族構成。


「僕は仕事も忙しく出張も多くて妻をかまってやれなかったんです」

「それでだと思うんです・・・他の男のところへ行ってしまって・・・」

「最初は警察に話そうかとも思ったんですけど不倫てことになると世間体がね

・・・あまり公にはしたくなくて ・・・」


「それでこちらをお尋ねしたわけです」

「僕を裏切って浮気した妻とは言え、こんなことになって可哀想で・・・」

「せめて妻を殺した犯人を捕まえてやりたくて」

「僕は素人ですからプロの方に頼むのが筋と思って・・・」


たとえ旦那が妻の不倫を内緒にしてたって警察もバカじゃないんだから

そんなの調べりゃする分かることだろ。

俺んところに来たって同じ結果になるだけなんだけどな。


だから旦那の依頼を断ってもよかったが猫探ししてても金にはならないし、

で、俺とスズはまたヤバげな事件に首をつっこむことになった。


さてまずは池田 翔子の不倫相手・・・男関係からか・・・。


でも、すでにそこはもう警察が動いてるだろうからな。

俺とスズの機動力じゃ、警察の一斉捜査には負ける。

後手に回るだろう。

まあ警察が先に犯人を逮捕してくれたらそれはそれでいいんだけどな。


不倫って言うと、まず考えられるのは出会い系か・・・。

でスズに頼んで出会い系サイトを軒並み検索してもらった。

俺はパソコンはからっしきだからな・・・まず覚える気もないし・・・。


どこかの出会い系に、まだ末梢されていなければ池田翔子の登録名が残ってる

かもしれない。

で何十件かめの出会い系サイトに池田翔子の名前が見つかった。


その他にその出会い系に登録してる男どものこともスズに調べてもらった。

そしたら出るわ出るわ・・・あまりに数が多すぎたため池田翔子と同年齢か

歳上の男だけに絞ろうと思った。


その中にきっと池田翔子に接触したやつがいるはずとは思ったが、

これはと思ったやつをひとりづつ当たっていてたら時間がかかりすぎる。


「スズ・・・効率悪すぎだな」

「それにおそらく警察もこの線で追っていくだろうし同じことしてたって

しょうがないか・・・」


「それなら池田 翔子さんのママ友とかから情報収集するってのはどう?」

「ママ友同士ならさ、自分の旦那のことやプライベートなこととか、うっかり

話しちゃったりしてるかも・・・」

「女性って誰かに悩みを聞いて欲しかったりするでしょ・・・どう?」


「スズ・・・頭いいな、おまえ・・・その線で行こう」


スズのナイスな提案で、俺は池田 翔子のママ友から情報を収集することにした。

スズの言った通り案外、主婦ってのは自分のプライベートを懇意にしてる友人には

話してる可能性あるよな。


まず池田家の娘が通っていた保育園を訪ねることにした。

俺はオリーブにスズを乗せて保育園へ向かった。

こういう時、スズがいてくれると相手も気を緩めるから助かる。

俺ひとりだと相手に胡散臭がられるからな。


池田家の娘が通ってる保育園で、今回の事件で池田翔子の夫からの依頼された

と言って、事情を説明して園児たちの住所をなんとか教えてもらった。


普通は個人の情報の開示はダメなんだそうだが池田 翔子の旦那の依頼という

ことが効いてしぶしぶ教えてくれた。


で、スズと二手に別れてそれぞれの家に聞き込みにはいった。


つづく。

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