第19話:嫉妬による犯行か?

とっ捕まえた郷田の話によると郷田も出会い系で池田 晶子と付き合っていた

らしいことが分かった。

だが池田 翔子が殺された時間、郷田は「ディムハイド」にいたらしい。

疑うなら、その時間自分が店にいたことを他の客が証明してくれるってことらしい。


そのアリバイを信じるなら郷田は白。

まあ俺もこいつはそんなことはできない男じゃないくらいのことは分かる、

ヘタレだからな。


ってことで、またまた振り出しか・・・。


郷田の話によると池田 晶子には自分以外にも付き合ってる男が数人いた

みたいだ。

まじで淫乱女だな・・・依存してるよ。

付き合ってた男全部当たってたら日が暮れるな。


で、その郷田だが、どうやら池田 翔子が金髪男、三田村に乗り換えたことで、

恨みつらみを言ったら、それじゃって 池田 翔子がママ友の一人を紹介して

くれたらしい。


そのママ友ってのが・・・「吉仲 美津子よしなか みつこ

吉仲 美津子はどうってことない、とくに魅力的とも言えない女でビジュアルも

中の下くらいの小太りの主婦だったらしい。

普通なら男も相手にしたいところなんだが穴さえあればそれでいいって男は

たくさんいる。


そこで保育園の名簿を照らし合わせてみたら・・・、


吉仲 美津子には銀行に勤めてる旦那がいて子供は男の子と女ん子のが

それぞれ一人づついる。


翔子の紹介で吉仲 美津子と郷田は付き合ってたようで、まあ出会い系なんて

ヤリモク、ヤリチン、ヤリマンだらけの世界だよな。


でも吉仲は嫉妬深い女で、いつか郷田にママと別れてくれって迫られたらしい。

勝手な女だ・・・。

自分は旦那がいて、しかも旦那に内緒で浮気してるくせに・・・。

常に自己中女なんだろう。


で、吉仲 美津子が一番許許せないのが池田 翔子だったんだろう。

池田翔子の美貌・・・男が放っておかない魅力。

そういう物に美津子は嫉妬した。

翔子に男は取られたくない・・・。


そこまでは俺の推理・・・当たってるかどうかは吉仲 美津子から事情を

聞かないと真実は分からないことだった。


この情報、俺はタカさんに流しておいた。

あとで分かった話によると防犯カメラに映ってた大勢の中に吉仲 美津子が

映っていたそうだ。

最初は、吉仲 美津子の存在すら出てきてなかったので見逃していたんだろう。


たしかに本町通りの空き店舗に池田翔子を呼び出したのは三田村だったのは

たしか。

吉仲 美津子は三田村と池田翔子のあとをつけていたんだろうな。


これで吉仲 美津子が需要な人物だってことが分かった。

あとは殺害に使われた凶器と彼女のアリバイ。


結局、凶器は出なかったようだが、吉仲 美津子のアリバイは曖昧で

信ぴょう性にかけるものだった。


俺あとは警察に任せて手を引くことにした。

一応依頼があった池田 翔子の旦那には委細を報告した。

こういう事件は被害者も加害者もあとに残された家族が悲惨で可哀想だ。


で、久々に入った探偵料・・・それでスズを連れて焼肉を食いに行った。


数日後テレビで吉仲 美津子が池田 翔子殺人の罪で逮捕させたってニュースで

やっていた。


とりあえず事件が解決して、一件落着。


で、スズは免許を取りに行った。

と言っても教習所に行くのが面倒くさいって原付免許を取りに行った。

で一発目は舐めてかかって不合格。


勉強してないんだから、受かるわけがない。

悔しかったのか本屋で学科教本を買ってきて、勉強していた。

で、二回目で合格。


それじゃ〜と俺はスズに近所のバイク屋へ行って原付スクーターを買ってやった。

丸っこい可愛いスクーター、しかも熊本のゆるキャラくまモンとコラボしてる

スクーター。


スズを連れてバイク屋に行ったら在庫はたまたまそのスクーターしかなかったんだ。

スズはくまモン好きだから、それでいいって言うんで即契約してきた。

原付は三日後納車が決まった。


原付免許だから当然オリーブには乗れないが、まあ自分のスクーターができた

んだから、好きななところにどこへでも行けるだろう。


「ヨーちゃん、オリーブの前のフェンダー傷んだね」

「あ〜郷田めがけて突っ込んだからな」

「まあ、これも勝利の傷跡だわ」


「それよりお前が無傷でよかったよ・・・オリーブは多少傷んだってそれがいいヤレ具合になるからな」


「スズはヤレたら、困るからな」


「ヤレるってどういう意味?」


「ヤレってのは、そもそも疲れ具合を示している言葉だよ」

「まあ、キズモノって意味だな・・・」


「私はキズモノじゃないから」


「キズモノだって言ってるんじゃなくて、もう少しでそうなるところだった

って言ってるんだよ」


つづく。








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