第4話:改めてヨーちゃんと鈴蘭。

俺の事務所にコンビニで出会った金髪ギャルがやってきた。

その子の名前は「花咲 鈴蘭はなさき すずらん」って言う。


で、彼女は自分のおいたちを話し始めた。


「私、家を出てこの街で住むとこ探しながらバイトしてたんだけど、

そのバイト先で仲良くなった子がいてね、それでその子が住むとこ

ないんだったら私のマンションにおいでよって言ってくれて・・・」


「で、私その子のマンションに転がりこんでたんだけど、その子この街の

空気が肌に合わないって言って・・・結局、田舎に帰るってアパートを引き払っち

ゃったんだよね」


「で、私もマンションを出なきゃいけなくなって・・・」


「行くとこないし、お金もないしで、あのコンビニの灰皿のところで

段ボールにくるまって寝泊まりしてたの・・・」


「え?・・・コンビニにたむろしてたんじゃないのか?」

「あんなところで寝てたのか?」

「それ、いつから」


「一週間前から・・・」


「おじさんが私に声をかけたのが三日前」


「おじさんじゃないって言ってるだろ?・・・まだお兄さんだろ、俺の歳なら」

「それに名前、ちゃんと教えたろ?」


「じゃ〜なんて呼べば?」


「陽介でいいや・・・だからおじさんはやめろ」


「分かった・・・おじさん」


「わざと言ってるだろ・・・大人をからかって面白いか?」


「あ、つい出ちゃうんだよ・・・ごめん」


「お兄さんは一応年上だし・・・呼び捨ては失礼だから・・・」

「なんて呼ぶか・・・ちょっと考えさせて・・・」


「いいよ・・・鈴蘭ちゃん・・・」


「私のこと鈴蘭でいいよ・・・呼び捨てで・・・」


「じゃあ、これからは、おまえのことは鈴蘭って呼ぶ」


「いいよ、それで、おじさん・・・じゃなかった」


「ん〜まあ、面倒くさいなら別におじさんでもいいけどな・・・」


「じゃあ、私は陽介さんのこと、ヨーちゃんで呼ぶ」


「ヨーちゃんって・・・おまえのほうがかなり年下だぞ」

「同級生じゃあるまいし・・・」


「決めた!!これからは、ヨーちゃんって呼ぶから・・・ヨーちゃん」


「ふん・・・まあいいわ・・ヨーちゃんで・・・鈴蘭だけの特別感あるしな」

「おまえにそう呼ばれたほうが新鮮に聞こえる・・・」


「でさ・・・話を戻すけど、いつから飯食ってないんだ」


「一週間前から」


「一週間も食わないでいたのか・・・まったく・・・じゃ〜腹減ってるだろ」

「だったら当然、風呂も入ってないよな?」


鈴蘭は何も言わず、うなづいた。


「風呂は沸かしてやるから入れ・・・その前にとりあえず飯だな・・・

ちょっと待ってな」


そう言って俺は鈴蘭に俺「特製チャーハン」を作ってやった。


彼女は一週間ぶりのご飯にありついて、美味い美味いって皿に山盛りの

チャーハンをむさぼるように食った。


「そいつはさ「大連」って中華料理屋の親父に教えてもらったんだ。

「美味いだろうが・・・」


「美味しい・・・」


そう言うと鈴蘭は泣き出した・・・。


「おいおい、なに泣いてるんだよ・・・」


「こんなに美味しいチャーハン食べたのはじめてだ・・・」


「そうか・・・気に入ってくれてよかったよ」


鈴蘭はチャーハンを食ってる手を止めて言った。


「あのさ・・・ヨーちゃん・・・私を雇ってくれない?」


「なんだって?・・・雇う?・・・まてよ俺の助手にでもなろうってのか?」


「うん、ダメかな?」


「そうよな〜ただの通りすがりの女なら俺も関わらないんだけどな」

「ダメだって言っても、おまえ行くとこないんだよな・・・」

「行くとこないから俺のところに来たんだし・・・帰れとも言えないし」


「そうか・・・分かった・・・とりあえず雑用係としてここにいろよ」

「つことで今日から鈴蘭は俺のパートナーだ・・・それでいいか?」


「よろしくお願いします」


「それから向こうの部屋、ソファーベッドもあるから、寝泊まりは

そこでしていいから・・・」


「ありがとう・・・おじさん・・・あ、ヨーちゃん」

「でも・・・あのぅ・・・パートナーっていい方・・・外国じゃ恋人どうしの

ことを言うんだよ・・・」


「そうか・・・じゃ〜いいんじゃねえか?パートナーで・・・」


「ええ〜っ・・・」


「冗談に決まってるだろうが・・・」


つづく。

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