まずタイトルが美しいなと思いました。第一章までを読んでの感想になりますが、読み進めていくごとに、タイトルに込められた水無月さまの想いが伝わってきます。少年少女の繊細な心情が痛いほど伝わり、微笑ましくなったり、切ない想いで胸の奥がきゅっと締めつけられたりします。神月代櫻と絡み合った情景もまた大変美しく描かれています。
「生きる」ということ、そして「死」との向き合い方を考えさせられる物語でもあります。また、第一章からも淡いファンタジーを感じられます。ファンタジーが今後どのように展開されるのかも注目したい楽しみな要素のひとつです。
当たり前じゃない日常生活、そして身近にいる人を大切にしたいと改めて思わせてくれる美しい純愛物語です。ぜひこの静謐な感動をたくさんの読者さまに味わっていただけたら嬉しいです。
とても心に響く恋愛小説です。
人間の欲望剥き出しのドロドロしたものもいいけど、純粋で心が清められるこの作品を読んでいると、ああ、自分にもこんな時があったなあと思い出させてくれます。
読んでいてとても感情が揺さぶられるんです。
何度も泣かされたし、くすっと笑わされたし、のめり込んでしまう作品です。あと電車の中とかでは読めません。目頭が!になりますよ。
いわゆるボーイミーツガールですが、これでもかというほど困難が待ち受けています。それを周囲の協力を得ながら乗り越えていきます。
最後に待っている運命とは?
悲しみなのか、喜びなのか、それとも。
この先を一緒に見守りませんか。
本当に多くの人に読んでもらいたい、応援してほしい作品です。
本当にピュアできらきらした純愛物語です。
地の文章の丁寧さと、思わず感情を揺さぶられる会話文がうまくマッチして、物語の中にどんどん引き込まれていきます。
最初は幼い二人の恋物語です。それが思わぬ病のせいもあって悲しい結末を迎えます。
そこから幾年かの時が過ぎ、再び物語が動き出します。
純粋なドラマなのに、そこはかとなくファンタジー色が見え隠れしながら、第一章を終え、その後は現実の向こう側の世界も広がっていく、そんな気がしています。
そんな気がするというのは、最新話まで来て、かなり核心めいたところにあるのですが、まだ完結を迎えていません。
きっと何度も泣いて、笑って、感情を激しく動かされて、感動の結末を迎えることでしょう。私はそう信じて完結までの展開を心待ちにしているひとりです。
性別も年齢も問わずじっくり楽しめる美しい物語です。
こういう作品こそ評価されてほしいし、本で読めばまた感動も倍増するに違いありません。
ぜひ多くの人の目に触れてほしいと願っています。
壮大な本格ファンタジー物語を書かれている作者様。
その作者様が、現代の恋愛ジャンルで新作を公開されていると知り、失礼ながら最初は興味本位で開きました。
いざ開いてみれば、広がるのは中学生の甘酸っぱい初恋のはじまり。そして余命僅かの悲恋確実の展開。
しかし、ただのお涙頂戴の恋愛で収まらないのは、表現するには難しい医療に関する内容に妥協なく向き合う文章と、二人を取り巻く大人達の覚悟が誤魔化しなく書かれているからだと思います。
更に特筆すべきは、二章、三章と進むにつれ、ファンタジー要素が強く絡み始めること。
現実とは思えないような現象を前にしながらも、主人公とその周りにいる人々が生命と想いに向き合う様子は、これはただの恋愛ジャンルで収めて良いのかと唸ってしまいます。
とはいえ、軸は二人の想いに変わりありません。
四章の今は、紹介文にあるように、好きは恋に、恋は愛の一歩手前まで進んでいる状態。
これがどのような愛へ育ち、奇跡へと昇華するのか。
期待すると共に、新たな恋愛小説をお探しの方にもおすすめしたいと思います!
少年が出逢ったのは『天使』のような少女だった。
物語の舞台は病室から始まり、そこで主人公の少年がヒロインと運命の出逢いを果たす。誰もが憧れ、微笑ましく思えるようなボーイミーツガールのお話。
だけど、彼ら二人の出逢いは偶然ではなかったのだと思わせてくれます。きっとこの巡り合いは物語の主軸となる『神月代櫻』が導いた奇跡なのだと、読み手に語り聞かせるようでした。
透き通るようにあまりにも純粋無垢な二人が互いの心を通わせて恋に落ちる。病床に伏すヒロインはいつ死を迎えてもおかしくない中で、精一杯生きて愛する者との時間を大切に過ごす。
その物語の最中で差し込まれるお互いの独白は、切なく胸を締め付けるような感傷を懐かせ、読み手の心を揺さ振り続けます。
悲劇の一章を終え、続く物語の二章からまた違う展開を見せます。謎の転入生の正体とは。『神月代櫻』が起こす奇跡とは何か。二人が向かう結末はハッピーエンドか、それとも……。
少年少女だったあの頃の純粋な気持ちを思い出しながら読んでください。
本作に触れる読者の皆様が二人の歩む未来が幸せになることを祈りながら、その結末を最後まで見届けて温かい気持ちに包まれることを心から願います。
骨太な本格ファンタジー小説の書き手として固定ファンをつかんでいる筆者様。そのイメージが強かったので、この作品は意外に感じるととともに、読みはじめてすぐに納得もしました。「水無月さんが恋愛小説を書くとこうなるのか」と。何といっても端正で精緻な文章が素晴らしいです。高精度なガラスブロックを丁寧に積み上げたような感じです。病院などの舞台設定が作り込まれているのも流石です。主人公の少年少女の家族関係をしっかり掘り下げているのも良いですね。物語に現実の手触りをもたらし、独特の味わいになっています。カクヨムにはなかなかないタイプの本格恋愛小説、じっくりと腰を据えて読みたいです。
織斗と優季奈、この二人が中心になって物語が展開します。
第一章は、甘酸っぱく幼ない恋物語で、思いは一緒ながら悲劇に。
第二章は、成長した主人公のもとに謎の転入生が現れ、ミステリアスながら感動に。
第三章は、再会を果たした二人を待ち受ける試練に向かって立ち向かう激動に。
結末はある程度、読み進めれば予測できますが、そのとおりにいくのか。
まだまだ予断を許しません。
美しい文章で紡がれる純愛物語、二人以外の周囲も魅力に溢れ、二人のよき友人、よき両親、よき医師などなど、多彩な人物が脇を固めます。
ぜひ多くの人に読んでほしい素敵な作品です。
主人公の風向織斗は心臓に疾患をかかえ、病院に通っています。
そんなある日、織斗は病院で天使のように可愛らしい少女、佐倉優季奈に出会います。
優季奈と交流するうち、織斗は彼女が入院していると知ります。そのうちに家族同士の交流もはじまり、たのしい時間をすごす織斗と優季奈だったのですが……
幼い少年少女の淡い恋にキュンキュンしました。
ですが、そんなほのぼのとしたふたりには、いつも病気の陰がつきまといます。読みながら、ときめきを感じつつも、病気が改善するよう祈らずにはいられないお話でした。
織斗と優季奈の恋愛模様はもちろん見所なのですが、わたしが好きだったのは、家族の交流を描いた場面です。
母と息子の信頼関係が、とても現代的だと思いました。
近年の親子像に興味があるという方にもおススメの作品です。
今はいろいろと衝撃的な展開があったあとの第二章を読んでいます。ファンタジックな話になるとのことで、今から楽しみです♪
主人公の風向織斗と、少女・佐倉優季奈との偶然の出会い。すべてはそこから始まります。幾多の困難を乗り越えようとする織斗。それを支える仲間の絆。彼の心の成長が、刻を超えた神秘の巡り合わせが、織り成される重層的で繊細な筆致として彼の人生に浸透し、幽玄の境地へと導く流れは、さながら夢心地のようです。
心理・情景描写が比類なき臨場感に棲む美しさで紡がれ、ミステリー要素として張られた応力の異なる伏線も、丁寧に手繰り寄せるように回収される展開が素晴らしく、物語の進行に伴い、非常に高い完成度を感じます。これ程までに随所でみられる作者様の本作へ賭ける愛と情熱。まるで大きな包容力で包み込まれていくようです。
本当にこの物語を選んで読んでいてよかった、間違いなかったと心から思える、純真で心温まる涙色の傑作です。
最新話まで読んでいます。他の方もレビューしているとおり、本当に心が動かされます。
純愛小説は主人公とその相手による物語がメインとなったものが大半ですが、この作品は二人だけにとどまらず、周囲の人たちもしっかり描かれ、大切な役割を持っています。
だからこそ、メインの二人が際立ってくるのです。
この先はわかりませんが、比較対象的に出てくるいやな人間が一人もいません。ヘイト感を抱くことなく、ただただ物語に没入できます。
また、人物の心理描写、色や香りが感じられる情景描写、どれも秀逸で美しい文体でつづられています。それなのに平易でとても読みやすい。素晴らしい限りです。
第一章では思いきり泣かされました。第二章ではそこからの立ち直り、始まったばかりの第三章ではいよいよ核心に近づきつつあります。
こういう作品こそぜひとも書籍化されてほしいと切に願います。私は女性なので女性視点で読んでいますが、男性視点からでも十分に楽しめる作品だと思います。
もっとたくさんの★が入って当然の作品なので一緒に応援しましょう!