無垢な少年と少女の運命の邂逅。切なくも美しい恋物語

第一幕を読み終えたレビューとなります。

「1年後、神月代櫻の元で誕生日の祝いをしよう。
　その時には優季奈ちゃんの黒髪に似合うヘアアクセサリーをプレゼントするんだ」

心臓の疾患がある織斗は、かかりつけの病院の一室で涼しげに窓の外を眺める優季奈に出会った。
彼は天使のように可憐な優季奈に一瞬で恋に落ち、彼女もまた純粋で心優しい織斗に心惹かれていく。
2人の出会いは少女にとって灰色だった闘病生活を彩り、織斗の人生も大きく変化させることとなる。

辛い日常が織斗との時間で満たされていく優季奈。
指切りをした約束、満開の神月代櫻。それを楽しみにして…

胸が痛く苦しくも美しく儚い世界。
織斗と優季奈の健気で甘酸っぱく優しい恋物語は、胸に響き涙を誘います。
作者の言葉選びのセンス、そして流麗な文脈は映画のワンシーンのように脳裏に浮かんできました。

と第一幕は病院の中でのお話がメインです。
第二幕からはミステリー要素が入り、謎解きなど多くの要素が散りばめられた物語となるでしょう。
作者の幅広い知識が場に臨場感を与え、物語に引き込まれていきます。

これから第二幕を拝読しますが、どの様な展開になるのか…　楽しみです！

読みやすく美しい作品に出会えたことを感謝します。
そして、皆さんにも強くお勧めします！！