雪を溶く熱

しんしんと降る雪の晩。
美冬の元に突然、疎遠になっていた幼馴染、秋人が訪れた。

「とりあえず、玄関開けてくんね？」

運命の人がいるならば、それが君ならどんなに良かったろう。君との出会いが夢ならば、あの夏の逃避行も、この冬の晩の過ちも全部「夢」の出来事にしてしまえるのに。
それでも、

夢と知りせばさめざらましを

夢であったら目を覚まさなかった、なんて言うのは狡いだろうか。



登場人物
・橘 美冬（たちばな みふゆ）　
　地元から出た事が無い。小学校教員。秋人とは幼馴染だが、疎遠だった。
・藤原 秋人（ふじわら あきひと）
　地元を離れる事になる。旅立つ前の晩、美冬の元に訪れる。



※ゆあん様の自主企画「筆致は物語を超えるか」の「雪を溶く熱」のプロットを使用させていただき…続きを読む