清廉なる言葉が響き渡る美しき世界
- ★★★ Excellent!!!
ある日、異世界……技術の発達しなかったもう一つの日本へと十六歳の女の子に転移した主人公。
これまで培ってきた技量を活かしての転生セカンドライフは、正に和の世界。
言葉や文字に力があり、その特別な力は皇族と貴族にのみが有するもの。
言葉は癒す事も払祓う事もできるという、特異な者であるため、権威の象徴とされてきた。
権威の失墜や、それぞれのキャラクターの思惑がストーリーの中でもしっかりと語られています。
言葉とは、祝にもなるが呪にもなる。
唱える者の心根を掬い取ったかのような言葉の連なりが美しく、キャラクターの一人一人の想いが詰まっていると言っても良いでしょう。仄かな灯に照らされたものもあれば、ガラスのような繊細な叫びもあり、毒を孕んものもありました。
自然満ち溢れ、情景と世界観の全てが鮮やかに彩られている。
筆者様があらすじにておススメしている第四章の和歌も見応えがあり、言葉に彩られた世界を是非堪能して頂きたい。