悪徳貴族に転生したから好き放題やる ～鬱アニメの世界で頻繁に発生する鬱展開を無自覚にぶっ壊していくやつ～

アークが抜けてるところがまた良き

これは最早「アークの意思」では無く、「アークの意思は世界の総意」になっているのだと。
この世界自体がきっと【鬱展開】を望んでいなくて、それを打破する為にアークはこの世界に呼ばれたんだと思えます。

思うままに我が儘に、されど救われる者達の、幸福の勘違い(パッピーエンド)
悪の親玉(アーク･ノーヤダーマ)、ここに爆誕(笑)

口では、悪役のようだが、欲望に忠実なのは、良きことです。
人の思いは、優位、協調、合理の3つです
アークは、マウント取りたい優位思考の化身のようなやつだが逆に言えば敬意さえ払ってくれる人の願いは、叶えるし、自分より立場上には、従うので、自然法則の神の完全なる手下です。だから成功するし周りを幸福にしてしまうのだと思います。

少し気を抜けば世界が滅びそうなほど鬱展開があちらこちらに転がってる世界なのに、主人公(アーク)が居ればまぁなんとかなるかと思えるのが凄いw
世界の希望なのに、主人公は威張って好き勝手やってる小物感もギャップがあってお気に入りです。

Q.貴方は一体、どこまで知っているんだ…？
A.何も知りません

そう、主人公だけが何も知らない、気付かない！敵の本拠地を壊滅させても！敵組織の幹部を倒しても！学園の危機を救っても！主人公だけが今日も楽しかったな、貴族ってサイコーと呑気なものです。
かなりハードな世界観なので、周囲は主人公の無意識の行動に救われ助けられ励まされ、希望を見出し、心酔していくのもまた…続きを読む

ご都合主義で片付けてしまえばそれまでだけど、思い付きの行動してるだけの主人公が結果的に悲劇を回避して人々の運命を変えていくのは見てて楽しいです。

物語の構造自体はノンストレスな俺TUEEEE物ですが、そこに主人公が自分が貴族として威張るためにやっているだけであること、自分の行動の結果何が起きているかわかっていないこと、そして周囲が勝手に主人公の意図を推測することで、勘違い物としての妙味が生まれています。

所々で本来ならどうなっていたか、それが主人公の行動で実際にはどう変わったかが明示されるのもいい。

物語の悪役に憑依した日本人が異世界の常識を勘違いして、周りにすごい奴と思われるタイプの作品です。

基本的に会話が少なく、起こった出来事を一人称で説明するスタイルなので簡単に読めます。

キャラ同士の絡み描写が少ないため、そういった作品を求める人には物足りないかもしれませんが、気軽にストーリーだけ読みたいという人にはオススメです。