秘密基地の絶望
ある日、友人の家に遊びに行ったとき、彼は私に地下室に連れて行ってくれた。
彼はそこが自分の秘密基地だと言った。地下室は蛍光灯数本で照らされていたが、それでも暗くて不気味だった。壁にはポスターや写真、本や雑誌などが貼られていた。彼は自分の好きなものだけを集めていると言った。私は彼の趣味に興味がなかったが、礼儀として見て回った。
すると、私は一枚の写真に目を止めた。それは彼ともう一人の少年が笑顔で写っている写真だった。私はその少年が誰なのか尋ねた。彼は顔色を変えて答えた。
「ああ、それは昔の友達だよ。もう会ってないけどね」
私は彼が嘘をついていることに気づいた。
彼の声には震えがあったし、目も合わせようとしなかった。私はもっと詳しく聞こうとしたが、彼は話題を変えてしまった。
その日から、彼は私に冷たくなった。電話にも出なくなり、メールも返さなくなった。私は彼が何か隠していることを感じた。そして、その秘密が地下室にあることを確信した。
私は彼の家に忍び込んで、地下室に入ろうとした。しかし、ドアには鍵がかかっていた。私は鍵穴を覗いてみたが、中は見えなかった。
私は諦めずに、窓から地下室に入ろうとした。窓も鍵がかかっていたが、力づくで開けることができた。私は窓から飛び降りて、地下室に入った。
そこで私は恐ろしい光景を目にした。
地下室の中央には、大きな血だまりがあった。血だまりの中には、彼ともう一人の少年の死体が横たわっていた。
二人とも首を切られていて、血でぐしゃぐしゃだった。私は悲鳴を上げて逃げ出そうとしたが、ドアも窓も開かなくなっていた。私は閉じ込められてしまった。
その時、蛍光灯が消えて暗闇に包まれた。そして、耳元で囁く声が聞こえた。「これが僕の秘密基地だよ」
友人は幽霊だったのか、それとも別人のなりすましだったのか。
誰も分からない・・・。
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