ある日、とある古道具屋で見つけた貯金箱に惹かれた少年がいました。その貯金箱は、金色に輝く龍の形をしており、口に硬貨を入れると鳴き声を上げるという珍しいものでした。少年は店主に値段を尋ねましたが、店主は「この貯金箱は売り物ではない。それは呪われたものだ」と言って渡そうとしませんでした。しかし、少年はどうしても欲しくて、店主が目を離した隙に貯金箱を盗んでしまいました。

家に帰った少年は、早速貯金箱に硬貨を入れてみました。すると、予想通り龍が鳴き声を上げて、少年は大喜びしました。しかし、その瞬間から不幸が始まりました。少年の家族は次々と事故や病気に見舞われ、家の中には悪臭が漂い始めました。少年は貯金箱が原因だと気づき、恐怖に駆られて貯金箱を捨てようとしましたが、どうしても手放せませんでした。貯金箱は少年の心を支配していたのです。

やがて、少年は自分の命も失ってしまいました。その後、貯金箱は別の人の手に渡り、同じような悲劇が繰り返されました。貯金箱には、かつて龍を殺してその骨から作られたという呪われた者の魂が宿っており、硬貨を入れるたびにその怨念が強くなっていたのです。そして、その怨念は龍の形をした貯金箱から解放されることはありませんでした。

この都市伝説は、日本に古くから伝わる龍の伝説や信仰に基づいて作られたものです。龍は水や雨などの自然現象を司る神聖な存在とされており、その恩恵を受けるために祀られたり祈られたりしてきました。しかし、龍を殺すことは大きな罪とされており、その報復や呪いを恐れられてきました。