その日、神さまに会ったか

俺たちがこの世界に落ちて来るより少し前に、この世界の職業『神関係』の方々には神託があった、と聞いた。

あっちゃん情報によると、「稀人落ちて来るからよしなに〜」みたいなものがストンと来たらしいと聞いたそうだ。


俺たちはどうだ?

「君、今から別な世界に行くから頑張ってね〜」みたいなものがストン、と来たか?

俺には来なかった。


いや、気絶していたから気がつかなかったのか?

あっちゃんや山さんに聞いてみたが、やはり失神していたので覚えていないと言われた。


失神していた…?

え?……失神?

神を失う、と書いて失神。


あの時、俺たちは神さまを失っていたのか?

地球の神さまを、俺たち、失くしていた?


俺たちが神さまを見失っていたから神さまも俺たちがいらなくなって、他の世界にポイっ?

そりゃあ、普段からそんな信心深くとか無かったけれど。

なんか、「いらない」って言われたと思うと悲しい。

俺ら、地球の神さまにいらないって捨てられたんだ?

何かちょっぴり涙(と鼻水)が…。


マルたんが俺の膝から伸び上がり、俺の頭をナデナデしてくれた。

マルたぁん、マルたんは俺の事嫌いにならないでくれ、グスっ俺頑張るから、ぐすっ。



「カオさん、さっきから部屋の隅っこで…。大丈夫かな」(ユイ)

「心の声がダダ漏れだな、カオるん」(ヨッシー)

「カオくん最近頑張りすぎだから疲れてるんだよ。疲れている時は後ろ向きになるよね。そっとしておこうか」(山さん)

「ダイジョブだよ。カオっちの膝にマルクを投げ込んだからw

マルクはカオさんのベビーセラピーだから」(あっちゃん)

「あ、ペルペル達も連れてきますね」(ユースケ)


カオをよく知り尽くしている仲間たちに囲まれてじつは結構幸せなカオであった。


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