元心理カウンセラーが花屋を初めました。

無名乃(活動停止)

プロローグ

「お兄さんには分からないよ。悩みとか苦しみとか言ってるのに……結局『頑張れ』の一言。頑張れってなんなの? 何を頑張ればいいの? それで、安心させてるつもりなの!! カウンセラーのくせに……大人に子供の気持ちなんて――分かるはずなんてない!!」


 ある学校のカウンセラー室。そこから、男子学生の怒鳴り声とすすり泣く声が聞こえる。

 イジメ、不登校、心配、悩みごと。少しでも人の助けになりたい。そう思って始めたカウンセラーの仕事。でも、現実はそう上手くいかない。支えていたつもりだった生徒の姿も“あれから”見えなくなった。


 しばらくして耳に届いたのは訃報。

 自殺した、その言葉だった。



 ――カウンセラーは何のためにある?――



 暗闇に取り残された男性はずっと考える。カウンセラーを辞め、子供に向き合えなかった自分を責め続けた。


 そんな時――男性は“ある人”と出会う。

 そしてある人も彼と出会い。

 止まっていた歯車が進む。



 ※これは作者の実話+α。現実にもこんな場所があればいいなと夢を少しだけ乗せた話。ハサミも実際に使ってるものです。

 もし読んでいて少しでも興味を持っていただけたらとても嬉しいです。

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