奈落禍楽徘徊記

高校一年の少年、紀ノ継　阿可夜は、曾祖父の雁廿郎に相続権の事で呼ばれ、田舎町『豊溢町』にある雁廿郎の屋敷を訪れる。
屋敷に向かう途中、緋色の角を持った少女を見かけた阿可夜は、好奇心から少女の跡を付けるが、その途中で森に深入りし、そこで亡者の群れに襲われる。気絶した阿可夜が目覚めると、そこは和風の広間であった。広間にいた妖艶な女性、アヤメによって亡者の群れから助けてもらった阿可夜は、現実世界に流れ込んでくる非現実の存在が蔓延る異界『ナラカラ』と現実世界を繋ぐ空間、『解れ』を修復する作業を手伝うことを余儀なくされる。
豊溢町にいる間、アヤメの指示通り解れを修復する作業をしていた阿可夜は、大きな解れに巻き込まれ、ナラカラに飛ばされる。そこで出会ったのは、灰色の髪と大きな双眸、そして精巧な人形の様に…続きを読む