悲しい涙も、無駄じゃない。

「悲しい気持ちだけを吸い取ってくれる妖精がいる」
そんな話を聞いて真に受ける人がいるだろうか。
だが失恋に泣く少女の前に、青い瞳の尖がり耳の少年が現れて――。


「いいよ。悲しみが消えるとは思えないけど、誰かが楽になれるのなら」という少女の台詞が印象的でした。少女の悲しみは消え、涙で国が救われる。そんな素敵な相互作用が実際にあればいいのにと思ってしまいました。

悲しみの種類は人それぞれですし、抱えられる量に限りもあります。そんな時にこのお話を思い出すと、流した涙も誰かのためになるかもしれないと、少し前を向ける気がします。

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