第4話 魔城会議

頼んだ通りワウトは俺のもとにみんなを集めてくれた。

ウォルド、ケロフ、リーフそしてワウトの四人だ。

そのそもこの城で魔城会議が開かれること自体が珍しいの上にいつも研究室や訓練室にこもっている四天王が顔を合わせることも珍しい。正直ワウトはいつも身の回りの世話をしてくれるのでわかっているが残りの三人が普段何をしているのか魔王の俺ですらわかっていない。

まあ、そんなことはさておき本題に入ろうと思う。

「みんな集まってくれてありがとう。今日は少し話したいことというか相談したいことがあってな。」

そうみんなに告げ話を続ける。

「近年この魔王城に勇者さん御一行が全く来ないのは周知の事実だと思う。」

「そうだな。それがどうしたんだ。」

ウォルドが聞いてくる。

「正直俺は全く勇者たちが来なくて暇してるんだよ。みんなもそうだろ?」

「確かにここまで来ないと少し退屈と言いますか肩がなまりますね。」

ワウトがそういうとリーフが続ける。

「私的には自分の研究だったり好きなことができるのでこのままでもいいですがね。まあ、戦いも嫌いではないので退屈と言えば退屈ですが。」

リーフがそういう。まあ、リーフに関しては四天王の仕事の反面研究者としての顔も持つので彼女的には意外と時間がたくさんあり退屈してないのだろう。

「ウォルト、ケロフ二人はどうだ?」

「私的に戦う相手がほとんどいないので退屈ではありますね。魔王城の兵士では騎士団長ぐらいしか手ごたえのある練習はできませんし。」

「私も同じような意見です」

なるほどみなある程度は暇をしているようだ。これなら俺が提案する案を言ってみてもいいかもしれない。

「なるほどみんなの意見はわかった。そのうえで提案なのだが、おれは国の養成学校に入学してみようと思う。」

そういうとみんなはぽかんとしたような顔でこちらを見つめる。俺は話を続ける。

「あの国直属の騎士養成学校が勇者を育てるための学校ということはみんな知ってると思うが、俺はそこに生徒として入学しその勇者候補たちが最強の勇者になるための手助けをしようと思う。」

「佐藤様それはつまりこの城に攻めてくる勇者を自ら手助けをし育てようということですか?」

ワウトが聞いてくる。

「まあ、ざっくりいうとそういうことだな。」

「なにうえそんなことを?自分が倒すかもしれない相手を自分で育てるなど私には理解できませんね。」

「そういう意見もわかる。しかし俺は魔王なんだ。勇者に倒されるのが仕事なのに全く倒されない!

それどころか彼らはもう倒せないとあきらめ勇者を送ることすらやめやがった!でもなそれでもまだ勇者を育てる学校があるということは全く送る気がないわけではないと思うんだ。ただ俺に勝てそうな人材が育たないんだろう。ならば俺が直々に教育し倒しに来てもらうと思うのだ!」

みなは少し考えるようなそぶりをし少し時間がたつ。

さすがに頭のねじが外れたと思われたのだろうか。

するとリーフが口を開く。

「よい考えではあっると思います。しかし、入学しそのあとどのように育てるおつもりですか?佐藤様が魔法に長けているのは百も承知ですがそれを教えれるのでしょうか?」

確かにそれは考えてなかった。生徒として入学し友人でも作ってその方にでも教えようと思っていたがその方法自体はノープランだ。

「それについてはまだ考えていない」

するとリーフが続ける。

「ならもういっそのこと私たち四天王も一緒に行くのはどうでしょうか?」

「それも考えたのだがさすがにそれだと明らかに一年とは思えない能力をもったものが一気に入りすぎるのではと思ったのだ。なのでみんなには城の警備と俺が困ったときの手伝いをしてほしい。

確かに皆のほうが教えるのはうまいと思うがおらえ自身が教えたいんだ。」

そういうとリーフは納得してくれた。

「ならが入学の準備をしますかそれと入学の前にある程度どうやってこっそり育成していくかも考えましょう。」

ワウトが提案してくれた。

「そうだなそうしよう。それと入学するのはいいんだけど入学試験っていつなの?」

俺は皆に聞いた。

「おそらく二か月後かと思います。」

なるほど少し時間があるな。

「わかったありがとう。しかし少し時間があるなならばこの前町に行ったときに見つけたギルドでクエストでも受けながら入学の準備でもするか。」

「そうですねそれがいいですね。」

「ギルド!?それわたしもついていっていいか?」

そうウォルトが聞いてくる

「もちろんいいぞ」

「よっしゃ!」

と、いう感じで魔城会議は無事終了し学校にはいる準備をすることになった。

そういえばあの学校名前は何というのだろうか。

「なあワウトあの学校の名前なに?」

「マジョック魔剣学園です」

マジョック学園か、楽しみだ。

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