第10話 最強魔王は食事をする
一つ目の授業が終わり俺は昼食をとることにした。なんでもうちの学校の食堂は料理がおいしいと評判で学生以外の町の人も食べに来るらしい。
「俺は授業より食堂が楽しみだったと言ってもウソにならないぐらい楽しみにしてきた。まちにあったクロワッサンのような料理はあるのだろうか。」
妄想に胸を躍らせながら俺は食堂に向かった。
向かう途中にさっき別れたばかりにウォルトにも出会った。なんでもウォルトも次の授業の前に腹ごしらえをしに来たらしい。
「奇遇だね。さっき別れたばかりなのに。シュガーくんも昼食か?」
「はい。腹が減っては戦はできぬですから。」
「なんだいそれ?呪文かなにか?」
「あ、え~とまぁ故郷に伝わるおまじないみたいなものです。おなかがすいてた戦どころか力も入らないから腹ごしらえをしてから物事に取り掛からないと良い結果が得られないぞみたいな意味です。」
「へ~面白いおまじないだね。僕も今後使おうかな。腹が減っては戦はできぬ!」
「ぜひ」
異世界の人に日本のことわざを教えてしまった。まぁ、問題ないだろう。
その後二人で歩いているとレミリアさんにもあった。
「お久しぶりでレミリアさん。レミリアさんも昼食ですか?よっから一緒に食べませんか?」
「はい。ちょうの魔法の授業が終わったので次の授業の合間にと思いまして。シュガーさんはどの授業に?」
「俺は剣術の授業に。となりのウォルトともそこで出会ったんだ。」
「ニャン・ウォルトです。よろしくお願いします。」
「フランターレ・レミリア・フレア レミリアです。シュガーさんとは入学式の日に会いました。こちらこそよろしくお願いしたします。」
こうして三人で食事をとることにした。
食堂についた。
この食堂は日本でいうところのバイキングらしい。
一つずつ見ていこう。
まずはハンバーグこの世界にもあるのかと驚かされた。
ちなみにデミグラスソースがかかっている。
ふたつめにエビチリ。ピリ辛でうまそうな赤色をしてやがる。
三つ目に魚の塩焼き。
品数が多いので全部は見れなかったがこの辺でもしかしてと思いながら隣にいたレミリアに聞いてみた。
「レミリアこの料理の名前は何?」
「これはギョーザですね。お肉と周りの生地がすごくあってておいしいです。」
「じゃあこれは?」
「それは食パンですね。クロワッサンとは別のパンの種類なんですけどこれもまたおいしくて。」
「じゃあこれは!」
「納豆ですね。私は匂いが苦手で食べれないです。好きな人は好きみたいです。それよりさっきからどうしたんですか?」
「いやなんでもないんだ。てかレミリアは食にくわしいな。」
「いえそんなことは。ただ食べることがすきなだけです。」
「いいじゃないか。またこんど教えてくれよ。俺はこの国の食に興味がある。」
「はい!ぜひ!」
そう興味がある。
なぜなら。
ここに並んでいるのは全品俺が元居た世界の食べ物だからだ!!!!!
なんだよ!異世界なのに納豆!?エビチリ!?極めつけはあれだよ!
なんでこの世界に白米があるんだ!!!!!!
そりゃうれしいよ元居た世界の食べ物が食べれるのはでもせっかくなら異世界っぽいものも食べてみただろぉぉおおおお。
「うん?これはなんだろぷるぷるしている。異世界っぽい!盛り付けよう。」
俺たちはおのおの盛り付け席に座った。
「いただきます。」
「シュガーそれもおまじないか?」
「おまじない?なんの話ですかウォルトさん?」
「さっきシュガーくんの故郷のおまじないを教えてもらったんだ。」
「うらやましいです!私にも教えてください!」
エミリアの圧がすごい
「わかったわかったよ。落ち着いてくれ。ちゃんと教えるから。」
おれはさっきウォルトに教えたことを教えた。レミリアもすごく喜んでくれたしよかった。
「それで今のいただきますはご飯を食べるまえに言う言葉で今食べている動物や植物、この世界だと魔物もそうかそれらに感謝してたべようねって考えからうまれたことばなんだ。」
「すごくいい考えたかだな。僕も今後言って食べてみるよ。普段よりおいしいく感じるかもしれない。」
「私もそうしてみますわ。」
二人ともこの考え方に共感したらしい。てかこの国の宗教観とかどうなんだろうな。まぁいいや。
「それじゃさっそくやってみよう。では二人とも手を合わせていただきます!」
「「いただきます!」」
異世界にいながら日本を少しだけ感じられた気がした。
「てかこれなんだろ、食べてみるか。」
「あ!それは!」
レミリアが言った時には遅かった。
口中に張り付き喉にも詰まりそうになった。おれは何とか飲み込んだが危うく勇者の前に食事にやられるところだった。
「それはスライムをついたものでもちもちしてておいしい分張り付きやすく毎年それをのどに詰まらせる事件が多発してるんです。死者も出ます」
正月の餅かよ!!!
「まあ、でも味はいいからゆっくりたべるよ。」
「気を付けてねシュガーくん」
そんな感じでご飯を食べていると
「魔物だ!!!魔物が出たぞ!」
一人の生徒が叫び始めた。
「魔物?こんな町中に?」
「とりあえず行ってみましょう」
二人とも頼もしいな。
こうして平穏だった昼食は中断され外に出ることになったのだ。
ああ、俺の白ご飯また会いに来るからね。
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