第124話 私と貴女124

「ねぇ、どっちが上なの?」

そう聞かれた瞬間、私の頭は真っ白になってしまったが、次の瞬間には顔に血がのぼっていくのが分かったくらい顔が熱かった。

(ど、どうしよう! なんて答えたらいいのかな?)

私がオロオロしていると、いつの間にか近くに居なくなっていた花音ちゃんが、私の事を後ろから抱きしめてきてこう言ってくれた。

私は、恥ずかしくて言葉が出なかったけど、それでもなんとか伝えようと口を開いたけど何も言えなかった。

そんな私の様子を心配したのだろうか、愛梨が心配そうに声をかけてきた。

「どうしたの? 大丈夫?」

そう言われてようやく我に返った時になって自分が何をしようとしていたのかを思い出してしまう。

しかし同時に後悔の念が込み上げてきてしまったため慌てて取り繕いながら謝罪の言葉を口にすることにしたが上手くいかない様子だったようで心配そうな

表情で見つめてくる2人の様子が見て取れたためますます追い詰められていくのを感じてしまい泣きそうになるも必死にこらえながら言葉を捻り出すことに

したのだが結局何も出てこなかったために黙り込んでしまっていると

今度は逆に向こうから話しかけてこられたので内心ほっとしている自分がいたことに気づくと同時に罪悪感に苛まれた結果、

ますます何も言えなくなってしまった。

沈黙が続いたが、そんな中、突然愛梨が口を開いたのである。

その内容を聞いて私は驚きを隠せなかった。

まさか、彼女がそんなことを言っていたなんて思ってもみなかったからである。

でも、同時に嬉しさも感じていたため自然と笑みが溢れてしまってい たのだろう、

それを見た3人に不思議そうな顔で見つめられていたが構わずに花音ちゃんに近づこうとしたところ彼女に避けられてしまった。

「あ……」

ショックのあまり放心状態になっていた私の事を心配したのか2人が声をかけてくれて我に返った後に改めて彼女の方を見やると今度は近づいて

きてくれてホッとしたのと同時に胸が締め付けられる想いになったのだが、

それを抑えつつ彼女に質問を投げかけると意外なことにあっさりと教えてくれたのだった。

私の胸は喜びで一杯になり、思わず涙ぐんでしまい その日から花音ちゃんと愛梨は私の親友兼恋人になりました。

2人は私を平等に扱ってくれましたし、私も2人と一緒に過ごす時間はかけがえのないものに感じていて幸せな時間を共有していたと思うのですけど、

「私ね、2人に内緒にしてる事があるんだ」

花音ちゃんがそう言ってきたので私は思わず身構えてしまい、緊張しながら言葉の続きを待っていた。

しかし次の瞬間、彼女から聞いた内容は予想もしていなかった事であったために驚いてしまい、しばらく何も言えなかったのだがようやく我に返った後、

「えっとね、実は……」

そこまで言われた時である。

突然扉が開いて入ってきた人物を見て驚愕の表情を浮かべた3人の美少女が揃って口を半開きにしていた光景はなかなか見物だったと思いますけど、

それはともかくとして私も彼女達に続いてそちらに目を向けると

その姿を見た途端驚きと感動のあまり声が出なくなりましたので代わりに目から涙が流れてきまてしまいました。

そんな私を心配して声をかけてくれた花音ちゃんの手を握りしめながら答えた私の声は震えていましたけど何とか絞り出せた

言葉は一言だけだったのですけれどそれで十分伝わりましたでしょうか?

「ただいま」

そう言って微笑む私を見て安心したのか、花音ちゃんは目にうっすら涙を浮かべながら私をそっと優しく抱きしめてくれました。

私は嬉しくなって彼女の体に腕を回すと

そのまま抱きしめ合いながら涙を流し続けたのですがそんな私達の様子を心配そうに見ていた愛梨と美鈴ちゃんが声をかけてきたことで

一旦離れる事にしましたけどね、

その時に改めて自分の置かれている環境がどれほど幸せであったのかを思い知る事になりましたのよ。

「お帰り、花音ちゃん」

私はそれだけ言うと、改めて3人と向き合わせてもらうことにしましたの。

まずは美鈴ちゃんと抱き合うとお互いに涙を流した

その後で今度は愛梨と抱き合う事になったのだけれど、やはりここでも感動してしまいました。

「お帰り。愛梨、大丈夫? どこ行ってたのかしら」

そう言って心配そうな表情を見せる花音に優しく微笑みながら彼女の頭を撫でる美鈴であったけれど、その手の感触は以前と少し違っていたので思わず手を止めてしまうと、

その変化に気付いてしまうのだったかが、それについて触れることはしなかった。

代わりに別の話題を出すことに決めると、そこでふと思い出したことがあり彼女に問いかけたのだったが、

しかしそれでもなお納得できないでいる様子の彼女を見た愛奈は溜息を一つついた後で口を開くとこう続けたのだ。

「ねぇ、愛梨って花音ちゃんのどこに惚れたか教えてくれるかしら」

その言葉に少し驚いた様子の彼女は目を丸く見開いのでしたけれど、それでもちゃんと返事をしてくれたのでホッとしましたわ。

でもやっぱり恥ずかしいみたいでしたから代わりに私が説明してあげることに致しましたわ

(ふふっ。この子ったら本当に可愛いですわね)

心の中で呟きつつ彼女の言葉を聞いていたのですが、そこで初めて知ったんです。

「えっ? そうだったんですか?」

愛鈴ちゃんが驚いた様子で聞き返してましたわ。

その様子を見ていると何だか微笑ましく思えてしまったのだけれど、そんな私とは裏腹に花音ちゃんの表情がどんどん曇っていったのは何故なんでしょう。

「私のせいですわよねこれはごめんなさいね」

心の中で謝罪しつつ、何とか慰めようとするも上手くいかずにいると不意に美桜ちゃんに肩を叩かれます。

そしてこう言われたのですけれど、その内容を聞いて納得していま したわ。

「あのね、愛鈴って花音にメロメロなのよ」

そう言われてしまった瞬間、思わず顔が熱くなってしまうのを自覚してしまいましたわ。

でも仕方がないですよね?好きな相手からそんな事言われたら誰だって嬉しいと思うしそれに何より恥ずかしいんですもの。

でも美鈴ちゃんが私の肩を叩いてきたので振り返ると彼女と目が合ったのです。

「あ、愛鈴ちゃん……」

思わず名前を呼んでしまうと、彼女の顔がどんどん赤くなっていくんですわ。

そして彼女は俯いてしま ったのだけれど私はその仕草さえも可愛らしく見えてしまっていて更に胸が高鳴ったわ。

そんな時でしたのよ、突然扉が開いたかと思えばそこに居たのは花音ちゃんでしたので一瞬驚きましたわ、

でも彼女を見たときさらに驚かされたのですが何と彼女の後ろにもう一人女性が居りましたの。

「あれ、その子って花音がひいきにしている後輩の女の子だよね?」

私はそんな言葉に驚いてしまう。

まさか、同級生にバレていたなんて、でもなんで?

そんなことを考えているうちに私の体は勝手に動いていた。

そしてそのまま、彼女を教室へと引きずり込んでドアを閉めた私は彼女を壁に追いやりながら彼女の体をまさぐる。

愛梨ちゃんが花音の体に触れている間、ずっと息を殺して耐えていたのだけれども、

どうしても漏れそうになる声は抑えきれないものだったのでしたから結局バレてしまったのでございますわ。

すると突然後ろから声を掛けられてしまいました。

振り返るとそこに居たのは美鈴ちゃんでしたし彼女もまた驚いていますがすぐに状況を理解したようで私に近付いてきた。

そして、私を抱きしめてくるので驚きを隠せないでいたのですが、それと同時に安心してしまった私がいます。

そんな私を慰めるように優しく頭を撫でてくれる彼女に感謝しつつも私は花音の体をまさぐっていくと段々と息遣いが荒くなっていくのを感じたのですけれども、

それは彼女も同じだったようでしたので安心してしまいましたのよ。

そうして暫くの間お互いに触り合った後なのですけれど、その間ずっと美幸ちゃんが見ているだけだったことに気が付いたんですの。

なので彼女に視線を向けてみた結果、そこには恍惚とした表情で私達を見ている姿がありまして……思わず恥ずかしくなってしまいますわよね。

でもそれだけじゃなかったんですわ。

突然背後から抱き着かれて耳元でこう囁かれたからですわよ。

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