第11話 僕は納得してない
『私としては食堂でたまたま席が隣になってそこからしゃべるようになって仲良くなる、っていうストーリなんだけどどう?』
その言葉通り昼はちょくちょく一緒に食べるようになっていた。基本的にコンビニ飯のときは旧校舎で、食堂では偶然を装っていた。
「君たちは暇なの?」
とある昼休み、有栖院さんと舞元さんと一緒に昼飯を食べているときに二人に問いかけた。
「何?神川くんはこーんな美少女二人と一緒にご飯を食べるのは不満なの?」
舞元さんは口をとがらせて不満そうに述べた。
「舞元さんの考え通りに進みすぎて嫌気がさしただけです」
「それって不満って言う意味なんじゃないの?」
「どうでしょう?」
「あなたたち仲いいのか悪いわかりにくいわよ」
「仲いいよ~」
「そこまで仲良くないでしょう」
「どっちなのよ」
有栖院さんは呆れ顔をしている。
「そんなことは置いといて、もうそろそろ次の段階に進むべきだと思うのよ!」
舞元さんはビシッと人差し指を立ててウインクしてきた。きっとこういうしぐさでたくさんの男を虜にしてきたんだろうね。
「僕はいまだに納得してないんだが?」
「もう今更でしょ」
「君たちが勝手にやっていることだけど?」
「ごめんって。拗ねないでよ」
「拗ねてないですが」
もぅと言いたげな顔で舞元さんが頬を膨らませる。
「有栖院さんは納得しているんですか?」
「納得していなかったらとっくに止めてるわよ」
「僕はてっきり嫌われていると思ってたんですけど」
「嫌いよ!でもそれ以上に信頼はしているわ…」
「いったいどこにそんな要素が?」
舞元さんもそうだが女子という生き物はよくわからないな。
「と、とにかくこれには納得しているから問題なしよ!」
僕は納得してないんだか問題ありなんですけど!
「とにかく明日からよろしくね、神川くん」
舞元さんはすごく笑顔のはずなのになぜかものすごい圧があった。
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