第9話 何する気ですか?
今日の出来事をベットに寝転がりながら振り返る。
「二人には悪いことをしたな」
でも後悔はしてない。これでいいんだ。
ピロン♪
スマホがなった。そのメッセージを送ってきた相手は
『舞元奈月』
実は帰るときにどうしてもというので連絡先を交換していたのだ。
『本当に協力してくれないの?今なら茜だけじゃなくて私とも特別仲良くなるチャンスだよ』
「余計にダメだろう」
有栖院さんだけでなく舞元さんまでついてきたら嫉妬に狂った男どもに刺されそうだ。
『別に興味ないです』
『冷たーい!』
返信が早い。
『そもそもどうして僕なんですか?』
『だって神川くんが一番安心安全だと思ったからだよ』
『やけに僕への評価が高いですね』
『まあね。茜に気に食わないって言ったからね』
『そこを評価するのはどうかと思いますが…』
『いやいや、茜に意見する人ってなかなかいないんだよ。基本的にはイエスマンしかいないからね』
あの人気ならば無理もない。あえて彼女の不興を買うことは避けたいだろうし。
『それと今日のことでさらに君の評価は上がったのだよ』
「なんでですか!?」
思わず夜中でありながら叫んでしまった。
『今日のことで評価が上がる要素は皆無だと思ったんですが』
明らかに今日の僕は二人の不興を買う発言しかしなかったと思うのだが。
『詳しく省くけど私は君を評価しているの』
『そこ詳しく聞きたいんですけど!?』
『細かいことを気にしてるとモテないよ』
『これって細かいことなの!?僕にとっては重要なんだけど!?』
『そんなことよりお願いなんだよ~』
そんなこと!?そんなことって言いましたよね!?
『僕の返事は変わりません。お断りします』
『固いな~。もっと柔らかくならないの?』
この人、なんかフレンドリーだな。
『そっちがその気ならこっちにだって考えがあるんだからね!』
『いきなり声をかけるのはやめてくれよ』
『な、なんでわかったの!?』
する気だったのか…
『今度そんなことしたら本当にシカトしますからね』
『ガーン(´;ω;`)』
絵文字、かわいいな。
『でもいきなりでなければいいだよね!』
『何する気ですか?』
『ナイショ♪』
何故か急に寒気がした。
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