第4話 影の道


前回、桜はバサルトによるバサルトのためのお茶会に強引に誘われたのであった。

特に収穫なく、その日を終えた…

なんとも平和な1日。だがしかし…そんな平和も長くは続かないようだ…。


――――――――第二章 かげ―――――――


「…。城の図書館より情報はないだろうけど…。行ってみるだけ行ってみるか…」

そう呟き、町の古い本屋へ入っていった。

「いらっしゃいませ~」



「うーん…オカルト本を調べてみるか?」

よく解らないが…オカルト本を調べ始めた。

「怪奇、海辺ののっぺらぼう…。墓地のゾンビ…。やっぱり、関係ないか…。ん?」

なにやら、不思議なオーラを醸し出している本が目に入った…

淡い黒色の本であった…

その本にはたった一文字の題が白い字で書かれていた…

「『かげ』?」

桜はその本をそーっと…手に取った。

「…。」

ひらく。


《―暑い夏の事だった…。私はあついあつい…と歩いて行きつけの本屋へ向かった。こんな暑い日なのだから少しゾッとする本を読もうと…本を探していた…。

そんな時…目に入ったんだ…この本が。


かげ

黒い本に白字でこれだけ書いてあった本…。

この不思議で不気味な本に私は心底引かれるのであった。

手に取り読み始める……その時…耳元でリンっ…と鈴の様な音が聞こえた。

なんだなんだと入り口の方を向くと…

―和装の美しい少女が立っていた―》


「…。」

桜はその文を読むと、なぜだか前を見てしまった…。

リンッ…

鈴の音がで響いた。

「っ...。」

少女が立っていた…桜はまったく気づけなかった…急に現れたのだ。


「…」

少女は桜を見て微笑んだ。

「…。だれ…?」

桜がそう質問すると、少女は桜の近くへ来た。

桜が戸惑いを見せると、少女は耳元で囁いた。

「―。」

そう言われた。桜は意味が解らず

「は?」

っと声を出した。

「…。今宵。空にが開く……うふふっ」

少女はそう言って、姿を消した。

「…。空に穴…」


その後、本を購入した桜は家へ戻った。

「…。この本…なんなんだ…。買った時にも…」


『ん?こんな本あったんですね?古びてますし…処分するつもりだった本ですかね?』

っと…店主が言っていた。


「…。」

戸を開け、家に入った。

「ただいまー」

「お帰り~」


夜になった。

「んー!だぁ…」

桜は畳に大の字に横たわり声を出した。

「なに、その本?」

「ん?なんか気になるから、買ってみた。」

桜はそう言って、縁側の方へ言ってしまった。

「へぇ~どれどれ?」

気になって本をひらく。


《―夏の夜は気持ちがいい…夜風が当たって…星空を眺める…》

「ん?」

ソルフィはこの文を見て桜を確認した

…桜も同じことをしていたのだ…

「ソルフィ~今日は星が綺麗だよ~」

「…っ」

ソルフィは続きを読み進めた。

《私が星を見ていると…大きな音が響いた…バキバキバキッっと言ったなにかが割れる音だ…―》


バキバキッ…と音が響いた…

「っ!」

「……!」

ソルフィが桜の方を見ると…桜は空を見上げたまま目を見開いていた…何か見たようだ…


「桜………!なにか……あった…?」

「ソルフィ…空が…」

桜は静かにそう言った…。ソルフィはその言葉に困惑しながらも空を見上げた。

「っ!」

夜空にガラスの様なひびが…バキッ!バキバキ!っと音を立てていた…

「…っうたげを止める…空に穴…。」


バキッ!その音が鳴った瞬間、ドゴゴッ!と言う音と同時に空が崩れ、穴が開いた…。

位置が高く、穴の向こうはよく見えない…。

「…っ!」

桜は何か考えていた様だが急に穴に向かい家を飛び出した…!

「っ!桜!」

ソルフィも桜を直ぐに追いかけて二人は家を出た。


二人は割れた夜空の下を駆けていた…

「ちょっと待ってよ!」

「あの、穴の中に向かう!」

「って!あんた、空飛べないでしょ!どうやって行くのよ!」

「あ…。うーん……何とかなるよ!」

「はぁ…はぁ…!走れない…これ以上…!待ってぇ…」

ソルフィは桜の速さに着いていけなく…段々スピードを落とし始めた…


「っ!ソルフィ!上!」

その時、桜が何やら声を荒げていた。

「え…?」

ソルフィが見上げたとき、そこには…の様な手が空の穴から伸びていた…

「っ!」

桜は急いで近くへ寄った。

「ソルフィ…ッ!!!」

桜は大急ぎ…。ソルフィへ手を伸ばし、助けようと戻ってきた…!!


「お前らァッ!」

その時…焦った様な男の声が二人を呼び掛けた。

「っ!(今の声…)」

それと同時に二人へ何かが突っ込んで来た。


―そして、三人は黒い手に飲み込まれた―

              続く           






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