第一部 第三章 彼の決意
病状が改善され始めていることは彼も自覚していた。とはいえ、退院はしたものの、今後生活していかねばならない。彼は、以前から勤務しているIT系の会社は給与等の待遇はいいものの、休職と復職を繰り返しているということもあり、心機一転で違う仕事に就く事に決めた。
退職後、彼はハローワークに通い、失業手当を貰いながら就職活動を始めた。だが齢40半ば、これという就職先もなく苦しい日々が続いた。流石に手当はあるものの、何かしらの収入源がないと行けないと思い、配送のアルバイトをすることにした。
配送の仕事はほぼ肉体労働である。ひ弱な彼には荷が重かったが、実際に仕事をしてみると以前の仕事より活き活きとしている自分に気がついた。そこから彼は無我夢中で配送のアルバイトを続けた。
バイトの傍ら就職活動をしていたが、時間を有効に使う事を考えて、バイトに専念することにした。その代わり、配送のアルバイトの隙間時間にもう一つアルバイトを組み込もうと考えた。何がいいかと思案していると、午前中の清掃のアルバイトの求人があった。配送のアルバイトは午後からの為、午前中は空いている。体力的にキツかった為、休みに充てていた午前中の求人はありがたく、早速応募し清掃のアルバイトをすることになった。
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