第二部 第三章 彼の計画(1)
彼は立ち上げる事業の補助金について由梨と調査している。
「これなんか使えそうじゃない?」
由梨はPCの画面を指さして彼に見せた。
「なになに、県の産業振興団体か。新規事業の補助金でITに特化しているものに準備金として最大500万円を補助、か。いいね。条件は何かあるの?」
「ええっと、支給金額は事業案の良しあしと収支見込、それと現在の収入状況に拠るらしいわ」
「そうか。じゃあ、何とかなりそうな感じだな」
「早速、事業案と収支見込の資料を作りましょうよ」
「そうだな。じゃあ、おれは事業案を練りこむから由梨は事業収支見込を概算で出してみて。わかる範囲でいいから」
「わかったわ」
しばらく二人は各々の作業に取り掛かった後、雑談などして由梨は彼の家を後にした。
数日後、由梨は仕上げた事業の収支見込の資料を持って彼の家に向かった。彼もおおよその事業案は固まり、書類にまとめた。
「由梨の資料も俺の事業案もまとまったし、あとは現在の収入状況を書けばOKだな」
「そうね。HPのフォームに記載するだけね」
「Wワークしているけど、大体250ってとこか」
PCの画面に自分の年収の概算を入力した。
「ん?あと、年金とか同居する家族とかの収入もいるみたいだな。年金は俺には関係ないけど、親が貰ってるな。後で聞いて入力しておこう。今日はとりあえず終わりだな」
彼は由梨にそう伝えた。本日のところはこれで切り上げた。
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