この鳥籠、色鮮やか。人も、心も。

歌姫ストレリチアと有翼人の従者アキレアは、秘密を抱えた共犯者とも言える関係でありながら、お互いに他人には決して見せない地の部分を知っています。
王国の慣習や姫としての立場に縛られているヒロインは、生まれつき翼が小さくて空を飛べないアキレアをすら羨むほど、塔から出ることを許されない環境にいます。

塔と、閉じ込められたお姫様。

王道な設定でありながらも、緻密な風景描写や、心情表現、一筋縄でいかないであろう兄の存在などがこの物語に深みを与え、惹き込まれます。
特に、まるで絵本のような、色彩豊かな場面描写は、本当にお見事です。
ふたりは、鳥籠から羽ばたけるのでしょうか。必読です!

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