令嬢と執事と魔物たちの、賑やかで優しい恋愛ファンタジー

まずは、とにかく第1話をお読みください。冒頭の数行に、凄まじい引力を感じるはずです。キュートでイケボのマンドラゴラが、読者の目を釘付けにして、瞬く間にハートを掴みます。
インパクトのある冒頭が目を引くこちらのお話、コミカルな要素も素敵ですが、ジャンルは恋愛もので、切なさと甘さがギュッと濃縮されています。

主人公の令嬢・アリシアが暮らす人間界は、魔物が暮らす世界と繋がっていて、二つの世界を繋ぐ扉は、新月の夜にだけ開きます。失踪した父・セドリックを捜したいアリシアは、手掛かりを求めてゴーストハンターを始めることで、魔物と積極的に関わっていきますが、幼い頃から共に過ごしてきた執事・ノクスは、そんなアリシアの身を案じています。

天真爛漫なお嬢様と、毒舌だけど優しい執事。互いに惹かれ合っていることは明らかなのに、二人が関係を前に進められない理由と秘密は、個性豊かな魔物たちとの出会いを経て、少しずつ明らかになっていきます。
そんな障害と向き合うアリシアの強さも、本作の見どころの一つです。大切な人たちと幸せに生きる未来を、決して諦めない彼女の姿は、太陽のように眩しくて、周囲の人間と魔物を惹きつける魅力に溢れています。

明るい気持ちになれるお話でありながら、重厚なヒューマンドラマがお好きな方も楽しめる要素を兼ね備えた、読後感の温かさが素晴らしいお話でした。
気になった方は、物語に続く扉を開いて、じれったい二人と、賑やかで優しい魔物たちに、ぜひ会いに行ってみてくださいね。

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