ともえしずか～上野村幼婚歳時記

ある県境に上野という村がある。そこに住む少年・巴はずっと一人で、でも友達に囲まれ、それなりの毎日を過ごしていた。
進級した日、転校生が越してきた。名前は静野ひな。いつも困った顔の、ほわほわした垢抜けた女の子。ふとしたことから巴は、彼女の身の上を聞いて、自身のことも自然と語っていた。境遇を吐露した二人は理解しあって仲が深まり、過ごす時間が少し増えた。
巴は、才能があるから作家になれと親に圧力を加えられて、ひなは、趣味の打ち込みを、どうせならプロになってみないかと母に推されるけど、そんなの難しいよとちょっと嫌で、でも気を遣って言えなくて。
その境遇から大人びていた二人は、共に生きていこうと約束する。いつか将来は家族になろうと。
そんな二人の、長い長い道のお話。



※外伝執筆中です
※外伝、投…続きを読む