このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(1929文字)
ミツバチはかわいいなぁ。自分が創造したものだもの、うんと可愛がってあげよう。無粋な警戒なぞせずに、そうすればきっといいことあるさ。オチの秀逸で人間味がある作品です。是非ご一読を。
AIを蜂にたとえた描写が秀逸でした。また、それぞれのAIに個性があり、異端的な性質のものまでいる、というのは、データや学習方法で違いがでるAIの性質を鋭く表現できていると思いました。
なんてかわいくも頼もしいハニービー!機械、特にAIの擬人化はヒトのカタチをしているから感情移入しやすいけど、その逆はどうだろうか。小国の女王様を守る小さな騎士たちの機械化。そこに感情移入はあるのか。ファンタジーに登場する従順な騎士を、SFによくある個性的なAIへと転換させたこの小説は、とにかく一級品のハチミツのような深い甘さを用意してくれてます。たかがライトなSF小説と侮るなかれ。主君を思う蜜蜂の毒針は、きっとどんなファンタジー小説よりもワクワクさせてくれる毒を打ち込んできます。
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