レモンティ、のような。

甘酸っぱい、切ない、きゅんとする。
べんりな言葉がたくさんあるのです。
だけどいま、ここにそれらを置くことを、わたしは、ためらう。

わたしにとって、レモンティということばは、ちょっと特別です。すごくうれしい記憶につながってる。苦くて、あまくて、澄んでいて。

ふたりの登場人物のすがたは、それはこの作者さまだから、波間のひかりを背景に影をきざむように、はっきりと、映るのです。でも、わたしはその像のむこうをこそ、みている、みさせられている気がして。

レモンティの澄んだいろのむこうに、なつかしいひとをみるように。

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