まだみぬセカイに夢を馳せて……

鬼の姫、僕はこの言葉だけで無限の物語を想い浮かべてしまいます。

ここに新たに生まれた幻想的なセカイ。

本当はレビューを書くのはとても早計かもしれません。この物語の行く末を見て、それから書くのが本来はとても正しい。でも僕は書く。断固書く。何故ならこの新たに生まれたセカイを祝福したいから。

僕は物語には様々なベクトルが存在すると思います。読み手である僕らは、多くの読書経験からテンプレに当てはめつつ、その内容を修正し、物語の理解を深めます。その修正値が大きい物語程、読者の期待を裏切り、独自の世界観を見せつけ、オリジナルキャラクターの魅力を爆発させているのです。

ではこの「ふろたき女と、鬼の姫」はと言うと、和風「幻想」ファンタジーという風に僕は思います。敢えて書きましたが、「幻想」という概念がここには存在します。

これこそが恐らくこの物語のひとつの「核」。全編に漂うその精妙で細やかな柔らかさ、この筆者様でしか味わえない「和風」は、その辺の活字中毒な和風ファンタジーではとても太刀打ち出来ません。

そこに「幻想」という虚空を掴んだ筆者様の感性が、僕らの心を躍らせ、そして途轍もなく謎めいたセカイを垣間見せてくれる、そんな予感が僕はするのです。

これは詩的でノスタルジーなポエミー作品とも違います。しっかりとしたリアルなセカイが存在し、もっとギリギリをよぎる感情の揺らぎも見せてくれるでしょう。

だから、今すぐこの世界に旅立って下さい。

お薦めします。僕らはそういう胸躍る美しい「幻想」に「今」立ち会っているのです。

そして「賢いヒロイン」参加作品として、是非皆様に応援して頂きたいのです。

宜しくお願い致します。





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