静寂としてドラマチック、鬼と人との友情物語

美しい鬼の姫と優しい少女とが織りなす、とても上品なファンタジー。
謎の病に苦しむ鬼の姫を、とあるきっかけでひとの子が救います。病の原因はまさかの「呪い」!?しかも、その「呪い」は一度では済みませんでした。
時代をまたぐ「呪い」の真相とは。果たして彼らは、未然に「呪い」を防ぐことができるのか。すべては一つの「うた」から始まります——。

物腰柔らかな語り口で、しかもお淑やか。けれども、一話一話はどれも煌めいていて臨場感にあふれており、一秒たりとも退屈しません。
惹き込まれる情景・心理描写は一言一句見逃せない、まさしく一気読み注意な作品です。

気怠い体に、疲れた心に、ポッと優しさが欲しい時に。ぜひおすすめな一作です。

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