概要
歴史を忘却させても、抑圧された記憶はこのように回帰して僕を殺しに来る
大西洋に浮かぶ島国・アルガンティアの首都に住む町医ヨハン・ハーバートは、結婚記念日のプレゼントを妻へ買って帰宅すると、自身の家が燃えているのを目にする。安否不明の妻・シャルロッテに合わせてやる、と言われついて行った先で、新聞を突き付けられ、妻が寝室でほかの男と焼け死んだことを知らされる。十年の間行方知れずだったかつての親友・ナスターシャの話によれば、火災は国の権力を掌握している友愛党が、ヨハンによる党への反抗を危惧したからだという。友愛党は、学者で反友愛党組織に属していたヨハンやナスターシャの父を殺し、歴史を歪曲している。ナスターシャはそれを憎み、正しい歴史を大衆に取り戻すため組織を率いて戦っていた。立て続けに起こる出来事で混乱していたヨハンだが、そこに警察がやってきて、ナスターシャに暴行
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