形が大事か心が大事か。祝儀には常に、そんな繊細な問題が含まれる。ある意味で濃度のようなものでもあるだろう。 贈り物の背景にある願いや祈りをしかと受け止めた本作の主人公だが、おっさんの私はなぜかハマグリでも食べたくなってきた。 必読本作。
女の子のお祭りだから、人形は艶やかて華やか。でも、そんな人形が手に入らない家庭だってあったはず。そんな家庭の、母親が娘を思う気持ちが作り出した、ひな祭りのぬいぐるみ。ひな祭りと、母親と娘の愛情がからんだ、ほっこりしたお話です。娘のいる母親の気持ちになって、読んでみませんか。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(67文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(138文字)
片手に収まるくらいの小さなひな人形、それは家族をつなぐ優しいお人形なんです。
母から娘へそして娘から孫娘へひなぐるみが受け継がれたようにたくさんの家庭で愛情が受け継がれていきますように子供にまつわる悲しい事件が多い今だからこそ多くの人にこの物語を読んでいただけたら
おそらく裁縫が得意ではないだろう、お母さん手作りのひな人形。お母さんはどんな気持ちでそのひな人形を作り、そして女の子はどんな気持ちで大切にしていたのか。登場人物たちの気持ちを想像すると、胸が熱くなってウルウルしてしまいます。成長した女の子。大人になってからのストーリーもまた感動的。特に最後の一文が秀逸です。人形、そして母から子へと受け継がれていく思い。愛情と優しさが感じられる素敵な作品です。
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