お互いの正体を知った時、少女は再び歩き出す。

病弱な公爵令嬢の家庭教師。
義父にアカデミーから呼び戻された男爵令嬢アニタは、そんな無理難題を押しつけられてしまう。
在学中な上に貴族の立場もあり、しかも公女様は超我儘で今まで何人も家庭教師をクビにしているとか。
しかし、アカデミー主席の才女でもあるアニタは「教授になる」という夢を義父に援助してもらうことを条件にディアス公爵邸を訪れます。
そこで出会った公爵令嬢ルシアと、ルシアそっくりの少女。公爵邸に潜む真実を知るために、アニタは秘められた出自を活かして星を読む。

誰しも仮面をつけて生きている。この作中の登場人物たちも。その仮面を外した時、きっとお互いの距離感はぐっと変わる。本当の自分を取り戻した「我儘公女」がラストで彩る物語の余韻が心地良いです。

ライトなミステリーが好きな方も、純愛が好きな方も、魔女のお話しが好きな方も。色々な人が楽しめる作品だと思います。ぜひご一読ください!

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