実力は見せてもらった。我が生涯のライバルよっ


ある日、拙作にお★様がついており、
ドレドレどんなお方なんじゃいと上から目線で読みに行った私、
第1話を読み終え、心の中で土下座しておりました。

クオリティ高ええええええええ。

ギャグとシリアスの融合は私も得意とするところなのですが、
かなわない、というかこちらは質と方向性がまるで違う。
なんというのだろう、すべてが優しさに包まれているのです。たまにあるバイオレンスすらも。

主人公ラクナの自虐的なおっとりさ、彼女の一人称で進む物語だからでしょうか。
恨まない。
勝ちに興味もない。
自分に世界が救えるなど思ってもいない。
ただ、友情など身近に誠実。
剣を抜いてしまったから勇者扱いされてしまったけど、
とにかく内面は、ゆったり生きたいただの少女なのです。
それがたった一人の人間として奈落に落とされ、個性的な魔物たちに囲まれて厳しい環境の中で生きていかねばならないわけで、
応援しないわけにはいかないじゃないですか。

そうそう、この作品の魅力ですが、一人称であることをとにかく巧みに生かしているところにもあるでしょうか。ギャグにせよシリアスにせよ。
キャラの性格こそ違いますがスレイヤーズと似てるんですよね。一人称文体の活用の仕方が。
内面をすいすい語れてしまうことにより、ちょこっと情景描写が不足かなという場面もありますが、
おおむねラクナちゃんの内面が共感しながら読み進めることが出来ます。

それと個人的に注目して欲しいのが、コメント覧。
書き込んでいるみなさんっ、トゲがなくとにかく丸く優しい。
きっとラクナちゃんに癒され、純粋に共感、応援しているんですよ。
作品が、みなさんの優しさを引き出しているわけですよ。

こんな作品、書けるようになりたいなー、と素直に思います。
てかライバルですっ。ギャグとシリアスという点において、勝手に私のライバル認定ですっ! い、いつの日か私のも振り向かせてやるんだからねっ! (遠い視線で夕日を見る)

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