ピアノの言葉に耳を傾けたら、大事なことに気づけるかも知れない
- ★★★ Excellent!!!
人には何かしらの取り柄が有ると思います。それは万人に分かってもらえなくてもいいものです。そこに気づけることが大事なのだと思います。
ベルキーという名前のピアノが非常に魅力的で、劣等感に苛まれる主人公を、憎まれ口を叩きながらもそっと諭していく姿が優しい。でもそれは同時に、主人公に「聴く」力があるからこそです。
人それぞれに外側とは違う内面を持つことも、見えるものだけが全てではないことも、心に沁みやすいさらりとした口調で教えてくれます。
悲しみの中にも希望を残すラストも秀悦でした。
大人の心にも響く物語ですが、多感な中学生ぐらいの方にはぜひ読んでほしいです。