概要
この体に残された、最後の弾丸。狙うターゲットは・・・
目をひらくと、視界に写る病室の天井。もう長い間、僕はこの景色しか見ていない。
「そろそろか。思えば、悪くない人生だったな」
病室の窓から入り込む風を頬に感じながら、そう思った。
自分はいったい、何年生きたのだろうか。
107歳までは数えていたが、その先は思い出せない。
もはや時間の感覚も無くなり、このベットにどれだけの間、横たわっているのかもわからない。
その時間も、間もなく終わる。
看取ってくれる家族がいないのが少し寂しいが、仕方あるまい。
いまさら死への恐怖はなく、ただ人生を全うした満足感に包まれた。
「人は本当に、生まれ変わるのだろうか」
もう少しで、その答えがわかる。
僕が目をとじると、カーテンが大きく膨らみ、風が全てを運んでいった。
田中 明彦 享年 120歳と3ヵ月
「そろそろか。思えば、悪くない人生だったな」
病室の窓から入り込む風を頬に感じながら、そう思った。
自分はいったい、何年生きたのだろうか。
107歳までは数えていたが、その先は思い出せない。
もはや時間の感覚も無くなり、このベットにどれだけの間、横たわっているのかもわからない。
その時間も、間もなく終わる。
看取ってくれる家族がいないのが少し寂しいが、仕方あるまい。
いまさら死への恐怖はなく、ただ人生を全うした満足感に包まれた。
「人は本当に、生まれ変わるのだろうか」
もう少しで、その答えがわかる。
僕が目をとじると、カーテンが大きく膨らみ、風が全てを運んでいった。
田中 明彦 享年 120歳と3ヵ月
楽しんでいただけたら、幸いです。