13:LOOP 77,762,888

 私の部屋の床も抜けていて、警察が調査に入った。爆発物の危険があるということだった。


 後日、専門家が調査したところによると、私の部屋は150年ほどの経年劣化を引き起こしていたようだった。

 ここに住んで数年だというのに……?


 混乱の日々を過ごしていると、時空研究をしているという男が私が過ごしているホテルにやって来た。彼はそらと名乗った。夢見がちな、トロンとしたような目つきをしている。


「時空のひずみがあなたの部屋を中心に検出されたんです」


 そんなことを言われてもにわかには信じられなかった。それでも彼は続ける。


「部屋の状況からすると、部屋の外では、本来経過したはずの時間がり込みを起こしていると思われます。つまり、原因は分からないが、あの部屋の中以外がタイムループを起こしているわけです。そのタイムループの中心にあなたはいる」


 彼は私に封筒を手渡した。それを部屋の中に残しておけば何かを変えられるという。


 内容は教えてくれなかったが、言う通りに崩れかけの部屋に行って、ドアのポストに入れておいた。


 そこに瑠璃が現れて、私は刺された。

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