2:LOOP 2

 玄関を開けて、あれ? と思った。

 廊下の電気が点いているのだ。それに、床にはシューズボックスの上の置き物たちが散らばっている。一瞬、泥棒かと思ったが、置き物たちを拾い集める。


 銀色に鈍く光る手のひらサイズのサイコロのような置き物に手を伸ばす。これは幼い頃に親戚のおばさんに貰ったものだ。

「大切にしてね」

 そう言ったおばさんとはあれ以来会っていない。


 置き物たちをまとめてシューズボックスの上に転がしたところで、インターホンが鳴る。靴を履いたままドアを開けると、フードを被った瑠璃が立っていた。


 彼女から先日、想いを告げられた私は「無理だから」と言って断っていた。それなのに、何度も連絡が来ていて辟易していた。だいいち、彼女は私の家を知らないはず……。


 文句を言おうとして胸元に激痛が走る。ナイフで刺されたのだ。足の力が抜けて、自分を支えられなくなる。そのまま目の前が暗くなる。

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