つき動きつき動かされ

 読後感の充実したじんわり暖かい逸品。主人公の侘しさや枯れた心境が丁寧に描かれる一方、題名通りの行為も思わずうなずいてしまう。

 後半に大きな見せ場が来るが、主人公の淡々とした人格が大きく魅力を広げ、納得のいく結末となる。

 必読本作。