〝デーモン狩りのデーモン〟の追憶　～世界最弱の傭兵、世界の敵であるデーモンとなる。人間に戻りたければデーモンを狩れと言われたので、白兵戦最強の人外少女とバディを組むことに～

「おい、ミオ！　また勝手に事務所の金で暴飲暴食しやがったな！　さっさと死んで、保険金寄こしやがれ脳筋バカ女」
「おっと、刃が滑った。惜しい、もうちょっとで今帝都で流行りの頭部除去ダイエットが成功しそうだったのに」
「ダイエット以前に死ぬわ！」

術式と呼ばれる体系化した魔法によって、急速に文明が発達した世界。
その代償として、〝人の可能性〟を奪い、恐ろしい獣へと変える異次元の存在――〝デーモン〟によって人類は生存を脅かされていた。

そんなデーモンやそれが生み出す歪な生命体〝魔獣〟。それらの討伐を国や自治体、企業から依頼される、術式を操る傭兵達を――傭術士と呼んだ。

砂漠の民の血を引く青年――カナタ・ハルザールは戦闘に不向きな術式しか扱えないのにもかかわらず、傭術士兼考古学者として、相棒の…続きを読む