概要
皆いつか知ります。サンタが本当は誰なのか
鷲巣忠隆(わしずただたか)は安土桃山期の武将である。
九州釜崎藩の初代藩主に仕えて武勲をあげ、死後は樅木神社(もみきじんじゃ)に神として祀られた。
時は流れて2021年。樅木神社は過疎化の波に寂れ、宮司の健さんこと白神健一郎(しらかみけんいちろう)がひとり祭祀を守っていた。
だが冬至の祈祷の最中、健さんは脳梗塞で倒れ帰らぬ人となる。
祭神である鷲巣は、健さんと最後の別れをするべく、黒猫の身体を借りて葬祭センターへと向かった。
12月24日、市中がクリスマスイブに沸く日であった……
※作中に登場する人名・地名・家名・施設名等はすべて架空のものです。
九州釜崎藩の初代藩主に仕えて武勲をあげ、死後は樅木神社(もみきじんじゃ)に神として祀られた。
時は流れて2021年。樅木神社は過疎化の波に寂れ、宮司の健さんこと白神健一郎(しらかみけんいちろう)がひとり祭祀を守っていた。
だが冬至の祈祷の最中、健さんは脳梗塞で倒れ帰らぬ人となる。
祭神である鷲巣は、健さんと最後の別れをするべく、黒猫の身体を借りて葬祭センターへと向かった。
12月24日、市中がクリスマスイブに沸く日であった……
※作中に登場する人名・地名・家名・施設名等はすべて架空のものです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心温まる、時代と文化の架け橋になる物語✨
この物語は、時代を超えた絆と文化の交錯を描いた、心温まるシリーズやで。主人公の健さんと、神様である忠隆公の間に織り成される深い結びつきを通して、家族の愛、伝統と現代文化の融合、そして人生の切なさと美しさが見事に描かれてるんや。
読んでる間、ウチらは健さんの静かなる最期、忠隆公の孤独と葛藤、そして小さな幼子の純粋な心に触れることになるわ。文化や信仰の違いを越えた普遍的なテーマが、ふんわりと心に染み入ってくるんや。
五色ひいらぎさんの筆致は、細やかで情感豊か。日本の伝統と西洋の文化が織りなす独特の世界観が、読者を優しく包み込んでくれるんやで。それぞれの登場人物が抱える内面の葛藤や成長が、静か…続きを読む - ★★★ Excellent!!!猫の生理に引きずられる鷲巣公萌え。
作中に登場する主人公、鷲巣公は神様です。ひとであった頃はバリバリの武断派です。強く、厳しく、気高い神様です。
でも焼き鳥の匂いに負けかけるの。猫に乗り移っちゃったから。神様なのにいちいち猫の生理に負けかける鷲巣公萌え。
という本題はさておき、この作品には、「まさにいま、失われつつあるもの」がひっそりと、けれど、確かに失われゆくさまが描かれます。けれど同時に、いつまでも失われないものがある。
何が、でしょうか? 「サンタはいないと気付く日に」改めて気付かされるものが、なのです。本作に触れ、そこに改めて気づく方が少しでも増えてくれれば、と思えてなりません。