概要
その事件を何とか生き延びたルクスは混乱の中で視力を取り戻し、旅する魔術師ミーナに連れられて一緒に旅をすることになる。
実はルクスの盲目も、唐突に視力を取り戻したことも、一人の男の思惑によって引き起こされていると知り、二人は黒幕である男を探して世界を渡り歩くことになる。
それと時を同じくして、とある地域を治めている領主アラドも、自身の奔放な性格が起因して隣国へと渡ることになる。
隣国はつい半年ほど前まで戦を行っていた敵国であったが、休戦状態である今の状況を維持し、なんならこのまま戦の再発を防止し平和に過ごせないか、と隣国の帝へ意思確認を行うためであった。
ルクスとアラド。二人はひょんなこ
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- ★★★ Excellent!!!タイトル回収が気になる、広大な世界を股にかける冒険譚
最新29話まで拝読してのレビューです。
魔物事件編が終わり、倭州回想編に入っています。
主人公は、とある理由から目が見えなくなってしまったルクス、そして彼を支える女魔導士ミーナ、二人が互いに支え合いつつ、旅を続けながら、ルクス自身の、そして世界の謎を解き明かしていきます。
広大な冒険譚です。しっかりと構築された世界が目の前に広がり、冒頭はその説明に終始しています。昨今のテンプレ作品とは一線を画す、骨太作品です。
だからこそ、丁寧に読む進めていきたい作品です。流し読みには適しません。確かに、改行されているものの、行間は詰まっていて、一見重厚に見えますが、文章は平易で、リズム感もあって、読…続きを読む - ★★★ Excellent!!!強大な力を得た少年は、旅の中で何を見るのか。
盲目の少年ルクスが再び光を得て目にした、押し寄せる瘴気。襲い来る魔物。そして、村の壊滅。
序盤からルクスに降りかかる悲劇に、息が詰まりそうになりました。そんな中、ルクスを助け共に生き延びた神火宗の修士ミーナが、ルクスを支えていきます。
ルクスは盲目になっていた時ですら腐りきらずに生きており、ものの考え方に賢さを感じる少年です。旅の道すがら、自身の考えの及ばなかった事態に陥ることがあっても、それを教訓に前を向ける心の強さを持っています。
ミーナは正義感のある良心的な明るい女性。
この二人が旅を通して支え合っていく様は、とても微笑ましく思いました。
世界は西洋風ではありながら和のテイストもあり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!宿命を背負った孤独な少年と正義感あふれるお姉さんは巨大な陰謀と対峙する
幼少期、とある男に魔法をかけられ視力を封じられた少年ルクス。
10年間、家族のお荷物として悲しみの中に生きてきた彼の人生が、ある日唐突に変化する。
村が瘴気に覆われ、魔物の大群に蹂躙されたのだ。
そして、彼の視界が戻る――大いなる力と共に。
住む場所を追われたルクスは、彼を守る正義感に突き動かされた若い女性ミーナと共に、自分に魔法をかけた男を探し出し、その理由を知るために旅立つのだった。
――というのが、できる限りネタバレを排除したあらすじです!
お分かりいただけるように、色々と謎が散りばめられています。
小さな村で過ごしてきたルクスには、誰がこの世界を統治し権力を握っているのか、そうし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「しっかりした世界観」が支える「盲目の少年」と「旅の魔導士」の冒険譚
正直、物語を1話や3話で見切りをつけてブラバする人にはお勧めできない作品です。なんてたって「そういう人がタブー」っていう1話での世界観の説明があるのですから。
でも、私はこういう「世界観」を最初に語ってくれる小説はすごい好きです。そして、この小説みたいに徐々に「世界を広げていく」小説は好きです。この小説は丁寧に丁寧に読んでいくことによって、作者の語りたかった本心とかがおぼろげながら見えてくる作品だと私は思っていて、そういう作品は私は狂おしいほど好きだったりします。
さて本題、この物語は、「一人の盲目の少年」と「ある魔導士」が物語をけん引していきます。そして、二人は出会い、そして、行…続きを読む