一章まで拝読しました。
喜怒哀楽の感情が異能として具現化する不思議な世界。具情者と呼ばれる能力者である少女たちが、記憶と感情(色)を失った主人公の謎に迫ります。
まず、感情を色で表すという発想が面白いです。その点で言えば、記憶喪失で慈しみ以外の感情が抜け落ちてしまった主人公が目覚めて最初に見たものが真っ白な天井であることは、とてもエモーショナルですね!
登場人物は台詞だけでキャラ分けができるくらい個性豊かで、第一章時点で五人の主要キャラが出てきましたが、一斉に会話をしてもごちゃつかず、すらすら読めます。これは作者様の書き分け、キャラ設定の上手さですね。あと、キャラクターのお名前に色が入っていて、どれも素敵です。
これから主人公は抜け落ちた感情(ドッペルゲンガー?)を見つけて、色を取り戻していくのでしょう。白は何色にでもなれますから。素敵な着想と物語です。
流行の異世界もいいですが、オリジナリティのあるファンタジーをお求めの方にお勧めしたい一作です。