登場人物の癖が強く、読んでいるとまるで主人公がまともに見えてくるんですが、主人公も中々……という作品です!一辺倒で終わらない展開ですので、テーマだけで「ちょっと……」と敬遠してしまうともったいないと思います!文字数少な目でありながらしっかりとした読み応えがある良作です!
本作の魅力をなんと語ろうか。生々しささえ感じさせる情景描写?胸にグッと迫ってくるもののある主人公達のバックボーン?色々あるだろう。だが、まず第一に挙げねばならぬのは、その緻密さだろう。BLに限った話ではないが、物語を作るにあたり1番の敵はご都合主義だと思う。なぜそうなったかを十分に説明できないと、途端に登場人物達は作者の糸のついた操り人形となり白けてしまう。だが本作は違う。何故そうなるのか、何故そうするのか。それが緻密に編み込まれている。思わず息を呑むほどに。ご都合主義に飽きたあなたにこそ、おすすめの一作である。
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