まるで身近な誰かの人生を覗いているような

声優として他人の言葉を話す各務。自分自身の言葉がないと思いながら活動を続ける彼が、少しずつ自分の言葉を見つけていくお話です。

私は声優のことも落語のことも全然分からないのですが、それでもこちらの作品、すんごく面白い。
人間の描写がとてもリアルで、読みながら「あーこういう人いるー!」となりますし、登場人物達の言動にも納得感があります。
だからこそ周囲との関わりによって主人公が徐々に変わっていく様は、時にもどかしさを感じつつも応援したくなります。そしてその周りの人達の身に起こる出来事の数々にまで一喜一憂させられるのです。

それからこちらの作品、タイトルがずるい(良い意味で
ある程度読み進めていると、見るたびに「これ絶対エモいやつじゃん……」と悶えます。未完結の今ですらそうなのですから、完結後に見たらどうなるのか……とりあえず確実に語彙を失う自信があります。

完結まであと少し。各務や彼の周りの人物達がどうなっていくのか、しっかりと見届けたい作品です。

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